第2話 卒業しても「同級生」の時は止まらないらしい
学校を卒業しても「同級生」の時は止まらないらしい。
同級生が嫌いだった、というわけではなく単純に当たり前の事が、私の世界では不思議な現象として捉えてしまっていた。
進学した高校は誰も、中学校の同級生はいなかった。
そのせいか、中学校の友人と疎遠になり、いつしか友人は、その当時の面影のまま私の脳内に保存された。
大学生になり、おしゃれとは?に日々悩んでいたある日。
Facebookを見ていたら「共通の友人」という画面に、中学生の頃同じクラスだった、ヤンチャな男友達が出てきた。衝撃だった。
「せ・・成長してる!!」同級生も、同じ時間を生きていたんだ、
と初めて現実を知った。正確には、初めて意識した、だろうか。
中学を卒業後、一切会っていないこともあり、当時の面影のまま私の脳内に保存された彼のデータとスマホ画面に映し出された彼は、面影はあるものの脳内のデータと一致せずパニックになった。
きっと「初めてのデートも初めての一人旅も初めての挫折」も、経験済みなんだろうな、と余計な妄想をすると、くすぐったくて、不思議な気持ちになった。
それまで、一緒の時を生きているという感覚がなかったし、興味も薄れていたのかもしれない。使わないとみなされた情報は脳の中で、見事に冷凍保存されていたが、これを期に旧友たちが懐かしくなり、思わず検索をしまくってしまった。
親指、急に繁忙期。(ここで同級生同士の、結婚や子育て中などの現実を知ることになる・・。)新しい情報は、とても新鮮で検索しているだけでとても楽しかった。
本来なら、「友達申請」をして思い出話に花を咲かせるものかもしれないが、
中学生の頃から、シャイな私は、今も「申請ボタン」へ親指を動かすことができない。
某よく当たると言われる占い師さんいわく「あなたの心は小6からかわっていません」宣言をされました。同級生のみなさん、私は本当に相変わらず、、ですので、
私に関する脳内データはそのまま冷凍保存でお願いします。
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