「童貞に人権などないのだよ...」久しぶりに再会した幼馴染が陰キャの俺をバカにしてくるので真実を告げて(眼鏡をはずして)やったらヤンデレ化しました。

雲川はるさめ

第1話

何年ぶりくらいかな、、

えーと、数えてみると、俺が父さんの転勤で東京に行っててそれから、御歳、88歳になるばあちゃんの家がある、この、ど田舎に戻って来たのがつい先日だから、そうだな

7年ぶりか。小学校低学年の時だったからな転校したの。

今。高校一年生の俺。

名前は山吹シンジ。

編入先の高校でばったり、昔馴染みの

幼馴染と再会したんだが、まぁ、随分な言われようだった。


「シンジ!田舎に戻って来たはいいけどさ。前は東京にいたんでしょ?どーして垢抜けてないのよ?カッコよくなってないのよ?」


「高校生にもなって、もしかして、ど、童貞とか??」


「おまえな。俺と再会して

その質問するとか、失礼だろ...?」


「だ、だって、あまりに、おしゃれに気を使ってないし、その、、髪の毛もヲタクっぽいし、なんか拍子抜けしちゃって...」


「...で、童貞くんなのね??」


「...」


俺は困り、項垂れた。


「その質問の答えを聞きたいのか?」


一緒に帰った帰り道。

昔はセロリ畑だったところが、

今や大型のショッピングモールができてた。

しまむら、有り、百円ショップあり、更にはドラッグストアあり、、、。


「ど田舎とはいえ、少し進んだな...この街も」


「で、シンジは成長してないね。

昔のだっさいまんまだね...!!」


「念を押すように聞いてくるな、おまえは...」


「あ、ほら、そこ!おしゃれな喫茶店ができたの。ね、入ろう。フルーツパフェが美味しいのよ」


「えー。俺、甘いもの食べたくないし...」


「じ、じゃあ、私だけ食べるから。

シンジはソーダかコーラか飲めばいいんじゃない?」


「そうだな...」


店内は涼しかった。


「で、シンジ。

あのさ、東京で彼女とかできたの?」


「うーん...」


俺は答えを濁した。


「まさか、できてないよね。

そんな見た目だもんね。。昔から奥手だし、

女子と話すのも苦手だったしね。

ほら、私くらいしか話ができなかったもんね。。」


「うーん、それがさ...」


ここから、幼馴染が声のトーンを下げて

いうことには。


「未だ童貞くんで間違いないよね?」


「おまえさ。馬鹿にしてるだろ。

俺のこと...!」


「う、うん。まぁね...」


やがて。


運ばれてきたパフェを幼馴染は美味しそうに

食べ出した。


「食べる?シンジ?」


「いらねぇよ。俺は甘いもの、昔から

嫌いなの、知ってるだろ?」


「ま、まぁね。知ってるけど、

一応、聞いてみただけだよ」


「俺さ...。告白されまくってたんだよね」


「え」


カシャーンと、幼馴染がスプーンを

テーブルの上に落とした。


「告白?されまくってた?は?」


「いや、だから、その、、

東京で。。東京の中学で、、

ま、もちろん、高校でも」


「いやいやいや、なんでまた、、!

シンジに限ってないでしょ、そんな見た目なんだから。。」


「いや、これは、その、、この外見はその、、」


突如として。


思わぬ邪魔が入る。


「もしかしてー?「竜巻」のシンさんだったりします?」


ギャル二人が、俺らの席に乱入してきた。

金髪と茶髪。

金髪の方が俺にしつこく絡んできた。


「その、イケボな声、

間違いないですよね?私ー、小さい頃からピアノ習ってて絶対音感あるんですよ。

国民的アイドルグループ、「竜巻」のメインボーカリスト、シンさんの声とそっくりだし、、

顔の骨格の作りも、シンさんそっくり!」



や、やばい...。


ピンチたった。


俺は咄嗟に逃げることを思いつく。

幼馴染の名前を呼び、

「マヒロ...!!俺、用事思い出した!悪いけど先に帰るからな!」


ガターン、と席を立ち。


俺は店の外へと出た。


「あ、ちょっと!シンさん!に、

逃げないでよぉー!!」


変装は完璧だった。

ただ、声でバレたってだけ。


今後は声にも気をつけるべきだと

悟った。


帰宅すると、

家の電話がけたたましく鳴った。


幼馴染のマヒロからだった。


「シンジ!私、あのあと大変だったのよ。

ギャル二人に絡まれたの!

シンさんの彼女なの!?ふざけんなって!」


「で、私、言い返したの。

シンジの彼女だって!!」


「は?俺の彼女だと言ったの?」


「そ、そうよ!だって幼馴染だもの!」


「いや、ただの幼馴染であって、俺の彼女では

ないだろ?おまえは」


「彼女にしろ...」


「は?」


「国民的アイドルグループ「竜巻」のシンだとみんなにバラされたくなかったら、今日から私を彼女にしなさいっ」


「は??おまえ、それ、脅迫じゃねぇか!」


「もう遅いよ。もしかしたら、多分、

今日のギャルふたり、週刊誌あたりに

垂れ込むと思うよ。

アイドルのシンにかわいい彼女がいる、ふざけんなって。。!!週刊誌に、リークしてやる!絶対別れさす!って」


「なんか、そう言って怒って、私の前から

いなくなったもん...」


俺は頭をかかえた。


「ああー。最悪なんですけど...」


俺は事務所の社長から怒られる未来を頭をなかに見た。


多分だけど。

まぁ、週刊誌が記事にする前に、

その編集者に圧力をかけて記事にさせないとは思うけど。


よりによって、幼馴染のマヒロ

に俺の正体がバレた結果...。その弱みを握られ、

俺はマヒロと付き合うことになる。


「シンジ。私、すごい気になってるんだけど、童貞くんじゃないわけ?」


電話で再度確認された。


「いや、ファンレターで告白はめちゃくちゃされたけど。俺は未だ未経験だ。。」


「よかったぁ...」


マヒロは電話口の向こうで、安堵のため息を漏らした。


どうやら俺のこと、大大大好きなようです。







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