第13話 K先輩へ

前文

御久方ぶりです。広島ではいかがお過ごしでしょうか。コロナ期の高校生活からずいぶんご無沙汰してしまいましたね。

 それでなのですが、ちょっと聞いてもらいたいことがありまして連絡差し上げました。ずいぶん長文になるものでして、下記のword文書に書くこととなりました。そういえば、前の時もこのように送りましたね。

 それにしても、不孝な後輩で申し訳ありません。一応、話の大まかな内容はファイルの冒頭に並べておりますので、そちらだけでもお目通しください。


本文

 

内容

 当時のコーラスで思っていたこと

 僕のことについて

 以上のことをまとめてコーラスに行くべきかということ・行った時のお願い事

 

お守りいただきたいこと

 信頼の上で話しているので他言されないこと

 ここで僕が嫌と述べたことはなるべくなさらないようにすること


 

当時のコーラスで思っていたこと

 あまり僕はこの部活に向いていなかったんだと、今はもちろん確信していますし、当時も何回も思っています。後悔も大きいです。いまでも多少トラウマとなっているものもあります。

 そのポイントが何個もありまして、部員間のコミュニケーションで失敗した、もともと女性恐怖症があった、好きな曲をやることがない、そもそもコーラス(特にクラシック)があまり好きではない、等々でした。これらをそれぞれ述べますね。


先輩とのコミュニケーションについて

 ご存じではあるでしょうが、僕は多くの先輩方に不信感を持っていました。そのなかで、S先輩がいらしたのは僕にとって救いだったとは思っていますが。それでも、結果として僕はT先輩、K先輩、H先輩には強い不信感を持つに至りました。

 その理由というのが、特に当時の僕の被害妄想が強かったことと、H先輩の挙動と、僕が全く自分の意思表示をしてこなかったこと、でした。


 まず、被害妄想ですが、これは小中での孤立の経験から人間不信を持っていたことに由来します。一応、こういう人は信じる、という基準はあったのですが、それはかなり厳しいものでして。特に、僕を特にいじったりした方には敵認定が下される、という点もありまして。中学卒業時から中学の時はこういう人を友達として受け入れざるを得なかったけれど、それは非常に疲れることだ、として、かなり心を許す人を制限していました。

そう思っていたのに加え、僕の一年のクラスの方で僕の友人(みつき)への陰口が横行していて、非常に消耗し、ほとんどのクラスメートを敵認定し、強い幻滅と嘲笑をしていた、という背景からより追い詰められて被害妄想が強くなりました。

また、現実的にH先輩が僕に対してそのような言動を実際にしていた姿を見ましたし、H先輩がとても冷たい目で僕を見ることも多かったために他の方も僕に対してそうであろうという思いが強まりもしました。

次に、僕の寡黙さですね。これは僕自身の問題でもあるのですが、意思表示があまりにも少なかったために、されると嫌なことだとか、趣味は何なのかとか、そういった話がまったくできず、先輩の挙動が無意識に僕のタブーに触れたりだとか、先輩方が興味ない話題ばかりしていておいてけぼりになる、だとか、腫れ物に触るような子ども扱いをされるように感じた、だとかがあったということですね。このような問題があったために、僕が自然と先輩方に不信感を持ったということもありました。そのため、後の内容で今更ながらの自己紹介について書きました。

このようなために、一年の冬以降にはH先輩が僕のことを嫌っているんだ、とか彼女はどうしようもないやつだ、とか先輩早く引退してどっかいけばいいのに等、あの人にLINEで愚痴を書くことが多くなりました。(なぜはるかなのかは次の項目で述べます。)


同期とのコミュニケーションについて

 あの人にはとてもわるいことをしてしまった、と後悔しています。一応本人には謝ったのですが、高1の合宿明けから高2の冬頃までことあるごとに彼女に向って八つ当たりのような愚痴のLINEを送り続けていました。きっかけとしては、合宿以前の彼女の僕の態度が冷やかだったことが何回かあったことや、合宿で2回僕に対する陰口を聞いたことでした(結局それが被害妄想だったのかはよくわかっていませんが、水に流しました)。もともと合唱祭・Nコンに不得手のために出場できなかったようなお笑い種がある人間を、やはりこの部活は受け入れてくれはしないのだな、と部に対して強い絶望と、幻滅を合宿を帰ってから感じました。この合宿後にはS先輩(したっていた人で、僕ととても仲良かった)も退部するとも伺っていましたし。

 そのために、強い怒りを持って、一年生グルに「あなたがたは僕が嫌いなのでしょう。それなら僕を好きに追い出すといい」のような意味の書き込みをしました。その流れで、あの人は諸悪だと決めつけて個人チャットであれこれ言いました。しかし結局、そういった言葉は誰からも出てこず、優柔不断な僕を誰かが強制してやめさせることを祈っていた僕のたくらみは外れて、何もかもむちゃくちゃになったコーラス部に残るしかなくなりました。僕は、自分の意思ではこの部をやめられなかったんです。

 そして、夏以降は自分の居場所が一層なくなったコーラス部と、クラスメートを全員敵と思い込んだ1-1のクラスを往復する日々が続き、そのストレスはたびたびあの人に向きました(救いにはなりませんがLINE以外では一切やりとりはなかったです!)。

 コロナで、ボイコットを決めてきまずくなった定期演奏会がなくなり、同級生に幻滅に幻滅を重ねた1-1の解散が早まり、先輩の引退も早まったと決まった時には、心底喜びました。あの日々は悪夢でしたから。

 さて、同級生のコミュニケーションですが、Y以外とは全く喋っていませんでした。M(たびたび出したはず)は、女子相手とうまくやっていて実際嫉妬もありましたし、同じ1-1にいたのに僕を助けること、友人の悪口をやめるようにたしなめることも全くしませんでしたし、部をやめることに優柔不断を起こしていた僕を「おめえがきめろ」と怒鳴りつけることが一度あって、関われなくなりました。Yは、1年生のとき高校全体で唯一まともな関係で日常的にしゃべることができる友人でした。

その気まずさは、二年生になってもあまり変わりませんでした。僕がもともと同期に話しかけることもなかったというのが大きいのですがね。あからさまに嫌な顔されることもなく、単に気まずい、という形でしょうかね。実際にちょっと二人の練習の中でうまくなったのかわからないんですけど、まれに社交辞令でホメてくれることもありました。とはいえ結局言って孤立しているのは変わらないですね。その気まずさはかなりの罪悪感となりましたし。また、切羽詰まった文化祭収録や、地区音の練習・発表の時期は自分の不得手を繰り返し見つることとなり、それでなお息がとまるような緊張を伴った毎日で、学校の早退・遅刻を繰り返しました。地区音後には一時期不登校もしました。この不登校の話は次章でもう一度話しますね。

 そのあたりで、Kと話すようになり、コーラスでなんとかしたいこと、特にあの人とどう接するべきかについてよく話し合いました。また、地区音の際にはMに自分が思っていたことを打ち明けて、謝ったりもしました。不登校もありましたが、二年生の時期はクラスでぼちぼち友達もできて環境は向上していきました。

しかし、結局言って気まずさの解消は最後までできなかったです。それは僕が過去に引きずられすぎだとかコミュ症というところも絡んでくるんですけどね。先日集まった時にもほぼなんら会話を交わさなかったですし。随分マシになったんでしょうが、今でも自分はコーラス部の恥だっていう罪悪感や、いづらさを感じずにはいられないのです。


女性恐怖症について

 小学校でハブかれた経験や、陰口を言われたことがありまして、僕はちょっとした恐怖症を持っています。しかもコーラスで悪化しました。顔をロクに合わさないとか、ちょっとパーソナルスペースが広いとか露骨に目を反らすとかは恐怖症の症状ですね。ちょっと、コーラスを通して自分は女性と関わっちゃいけないっていう気持ちも最近持っています。


曲の好みについて

 詳しくは次章で書きますが、僕は音楽に対して強いこだわりを持っています。しかし、コーラスでやる曲はどうもその好みとは合わないんです。応援系とか嫌いな歌詞もありますし。しかし、コーラスは歌唱なのでその嫌いな歌詞を自分の口で発声しないといけないんですよね。これには強い屈服感もありますし、非常に嫌です。自分が嫌いな曲を何時間も通して練習して、発表することはとても空しいことだと感じています。しかも、歌いなれてくると、ちょっとその曲を好きになってきてしまう。それは非常につらいことです。自分の本心が犯されるような、強い嫌悪があります。きっと、こういうことを言ってはいけないのでしょうが、クラシックはださいですし。もちろん、クラシックでもコーラスで歌った中でも好きなものはありますがね。



僕のことについて

 ようやく一章が終わりましたね。僕もそこそこへたへたです。ええと、では次は僕のタブー、趣味(特に歌)、不登校期のことについてを書いていきます。


タブーについて

 箇条書きの方が良さそうですね。これらの内容を著しく破ると僕の好感度が下がり、最悪敵認定されます。そんな難しいことではないですが……。

 悪口・陰口(他人含む※例外は物体やサービス)

 人のやる気をそぐような言葉

 誰かを侮蔑するような冗談・物言い

 いじり(僕以外を対象にしても)

 悪ノリ・質の悪いジョーク

 僕が個人チャットで話したプライベートなことを勝手に話す

※子ども扱い(嫌悪にはなりませんが、関わりにくくなります。)

趣味について

 これも箇条書きでしょう。音楽は別項目にします。

 写真

 散歩(都会寄り)

 カラオケ(まあ、知らん曲歌いまくる係ですね)

 地図

 ネットニュース(主にITと経済と道路インフラと鉄道)

 古銭・骨董

 天然石

 読書(ラノベは多少、小説は全く)

 鉄道

 マイナー趣味にのめりこむタイプですね。ミーハーは嫌いとかいって自らの首をしめがちなんですよね……。なんか、趣味のこと聞くなら真面目に聞いてほしいとはよく思いますね。一応、止まれるオタクやってます。


音楽について

 80s邦楽

 DS・Wii時代のゲームサウンド

 ロック&ポップス

 界隈曲

 テクノポップ(平沢・電気)

 失恋ソング

 ボカロ(ものによる)

 2000年代初期ゲーソン

 シティポップ(古参なので最近はやっているのとは少し違う)

冷たく、暗く、早すぎずってとこですね。一応、曲が一般的にウケるかどうかくらいは判断できるので、尋ねてくだされば紹介できます。


https://www.youtube.com/playlist?list=PL7-qROJMFc-sk7deBB2LwVGWswuqvBsTF


これとか一遍聞いてみると趣味が分かるかもしれませんね。

かわいいもの、うるさいEDM、盛り上がりのない爽やかさ、空しくなるような明るさ、そういった雰囲気は嫌いです。

でも、自分がやりたい曲が歌われることなんてないんだろうな、という諦めの気持ちは大きいです。先日、合唱祭でshadow cityを歌われる方々がいて、そのアレンジは好きではなかったけれど、歌うことが許されるのか、と感動はしましたが。


不登校期について

 高2の登校以降は厳しいことが多かったものでした。Youtubeの見すぎで目を疲れさせたり、課題がたまったり、コーラスの練習が多かったり、と様々なことがあり、疲弊することが多かったです。朝起きるたびに頭痛がして、重苦しい気分で登校して、遅刻して教室に入るのも消耗しましたし、マスクによる酸欠もありました。

 高1時代よりも周辺環境は良く、高1の頃のように、陰口を言われる友人もいなかったので、だいぶマシではあったのですが、やはり高1の頃の被害妄想や人間不信を払拭することはできず、もともと僕が色々抜けてていじられやすいということもありましたから、そうして僕の被害意識は高まるばかりでした。

 コーラスでは、僕が敵愾心を向けていた先輩方は引退されたので多少気分はましになったのですが、そうするとますます自分がみじめになってきてしまいました。悪いのは自分だけですからね。歌が下手で、ろくにコミュニケ―ションもとれなくて、嫌われてて。男子の後輩がいなくて本当に良かった、とは思っています。それでも、後輩の前で恥ずかしい真似を続ける自分に情けなくもなりますし、結構な自己嫌悪がありました。

 なんで自分が歌っているのかもよく分からなくなっていきました。正直、S先輩や同期たちが楽しくやれていればもう何でもいいや、っていう気持ちで高1はやれていたのですが、高2になるとやはり虚無の気持ちは強くなって。地区音楽会が終わって、みんなが達成感に包まれる中、ようやく苦しいものが終わった、でもここでまた失敗をしていて、もっと迷惑をかけてしまったんじゃないかとしか考えられなくて、自分はおかしくなっている、と考えさせられました。

 あとは、治療方針をめぐる母との対立ですね。治療が泥沼化することを見ていて、「あなたのことは信じていない」とふと漏らしたときには泣いてしまったり、それでも治療は進めねばならないのに、と。

結局は精神科に言って服薬しながらカウンセリングを受けることでなんとかなりました。こうめや、クラスメートとは色々相談して助けになりましたし、まあなんとかなりました。クラスメートもそのことを事後に引き出すこともなく、受け入れてくれましたし。そこでようやく、被害妄想が過ちであると判断するにいたりました。



そうした上で……。

 まとめますね。

 人間関係がうまくいかない

 コーラスしていて自己肯定感が下がる

 曲が嫌だ

 こういった状況なんですよね。ただ、僕としてはここまで続けてきた仲間と放れたくないというか、3年間もやってきてこの終わり方では納得できないというか。もう少し仲良くなれればそのことも忘れて報われる気持ちになれるのに、と思っています。あれですね、思い入れが強い投資商品が下落してもすがり続けてしまう、みたいな感じです。


 というわけで、僕はコーラスに行くべきなのかってとこですね。なんか、コーラスのいい思い出もあった気はするんですけど、だいぶ負に寄っちゃった感じになってしまいましたが。

 僕、優柔不断なんで、何も言われなければそのまま行こうと思っています。まあ、たぶん疲れはしても、くたばったりはしないという確信もありますし。

 でも、多少苦痛になるのは事実だと思っています。なので、ちょっとこうしてお話させていただきました。ちょっと謎のキャラで終わるのも良くないだろうし、とも思っていましたし。こうしてちょっと開示すればなんか話すネタもできることでしょう? 


 最悪、この話を他言しないっていうことさえしていただけたら結構です。けん先輩と高校での距離感は距離感以上のものでやっていけたらもっと嬉しいことです。

 長文失礼いたしました。また、ここまで読んでくださりありがとうございます。ご返事お待ちしておりますね。


 それでは。


一盃口

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