第5話 @Shinjomへ

 よ(*・ω・)ノ。大学で忙しい中、LINEや駅とかで色々な話を交わせて楽しかったよ。しかも勝手に俺の言葉だけではあるけれど、言葉をネット(カクヨムの『発言録』ことです)に投稿して悪かったね。でなんだが……時間があったら投稿一緒にしないかい。


 神様はなんというか性格が悪いのか、三年の2学期にうちらを引き合わせたね。少し遅かったかね、いやそれにしても、この出会いはかけがえのないものだよ。

 西城(前に卒業式の打ち上げの時に話した奴よ。あの、ネパール帰りで銃が好きな)に出会って、お固い話を一緒に語り合えるようになることすら奇跡だったのに、まさか音楽の趣味すら同じ奴が現れるなんて。

 校舎の玄関で『さらばシベリア』とか『まちぶせ』とか……いやはや。まさかいるなんてなぁ……。大瀧さんよ。小学校の頃からロンバケ聞いてて、歌詞を暗記してたよ。ドラマ(逃亡医F)でこの曲がかかったのも衝撃やけどね。


 そして話した2日後にはジュークレコードに行ったのに始まって、天神のレコード屋はしごしてさ。連れて行ったつもりなのに、俺こそ色々教えてもらってさ。

 そうした後にまた話せば、ツイッターやインスタでスイーツの写真が回ってるこの国はなんておめでたいんだ、とか色々そっち方面でも盛り上がって。いやしかし、「そうは言っても……云々」っていって言葉を否定してから俺の考えを述べるという性格の悪い喋りばっかしてるのは本当にすまねぇ……。

 初めての共通テストの時に、一緒に話せたことも、前日gkgkbrbrだった俺には非常にありがたかった……。当日プレッシャーってのあるからね。テンパったらもっとまずかったよ。


 短い間だったけど……なんてさすがに言うのは俺にゃ惜しいことよ。今年も、ちょくちょく付き合ってもらったし、これからもまたどっか行こう。唐人町にもね。これから大学で中国語を取るつもりだからいつか中国にも。


 とりあえず、近いうちにウチのコレクション見に来てちょうだいな、まずは予定を確認しようか。

 では、手紙の中でだけれど、またね。


よかかと

 かうえう

っんてれ

 たとくし

らめれい

 あいるな


(終わり、では追記)

 僕の発言録を始めるきっかけになったダチです。いやはや、彼といると本当に僕もガラパゴス化してるな、と思いますよ。日本が孤立して自己完結の世界を形成しているようによく思ってしまうけれど、それでもこの国は世界の影響を受けている。


 彼の興味の中心はナショナリズム。自らの所属する国家をアイデンティティにするという考え方が一番広義なんですかね。確かにこのナショナリズムというのは厄介なもんで、異言語、異色人種、異宗教をそれぞれの国民が排斥することによって成り立つものでして。

 日本人は古代にこそ混血もありました(ここ忘れちゃなりませんよ!)が、全国に大体同じ顔して、日本語を喋り、お正月をやって初詣してお盆をやって仏教葬をして、キリスト教会で愛を誓って、クリスマスパーチーをする。だから私達がいかように日本人であるかなんて考えようもないという。

 でも海外(なぜ外国とは言わない?)は違うものでした。中国では、複数の方言を持つ中国語に始まり、チベット語、朝鮮語、ウイグル語その他……と。私達が外国人観光客に会うような経験を毎日のように。そして、日本でいえば部屋に土足で入り込み箸が持てず、私が味噌汁をすすってたら怒って家を飛び出す、こんなような人も時にいますし。

 どうしたら寛容になれるか、もっと言えば、差別をしないか、互いにいがみ合わないか。その1手段として彼はナショナリズムの打破を唱えている、と僕は勝手に思ってます。

 やばい長い。ではでは。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る