第4話 ヒデキへ

 よす。今西城が何してるか、全く分からんな。持ち前の国際性でブイブイやってる? それともミリタリーサークルとかに入って、サバゲーで撃ちまくってる? サバゲーやったら絶対盛り上がるでしょ。


 西城はみつきを失った(クラス替えです)俺の心の空白を埋めて、さらにもっと俺を成長させてくれたね。なんかふと二年の時にクルアン読んでいた自分の幸運よ。西城がネパールの開発について発表をして、それに俺が惹かれて、つい話し掛けた。それが出会いだったね。

 そうした後に、この国がいかに腐ってるかとか、そういった話で盛り上がったり、イスラームのモスクが美しいとか話したり。そんな話ができたのは西城だけだったよ。他の奴にそんなこと話したら、「ちょっと何(ry」が飛んできたりとか、引かれたりとか、話をロクに理解しようとしないで「すごい」がとだけ当てつけに言われたり、そんなんだから。というか、そういう話をするっていうのは、全く面白くなくて、あまり良いことじゃない、そう思わされてきたから。話し相手ができて本当によかった。


 そうそう、こうして1年経ってしまったけれど、時間があったらまた箱崎のネパールカレー屋にに2人で行こうぜい。ネパールに行ったことある奴なんてそうそう身の回りにはいないし、いくら俺がひとり旅が好きでもエスニックな場所については予備知識が全く無くて気軽に行けないからさ。


 そしていつかインドやネパールにも連れてってくれい。でもちょっと俺は気が弱いから人攫いに遭う、かね? でもほんとに思うんよ。海外旅行に行くのなら、絶対に西城と一緒がいい。英語もいけるし、現地の雰囲気をもともと知ってるし、というか暮らしたことがあるし。頼りにしちゃうわ。

 あのLINEに答えられなくてごめんね。「また会えない?」、その質問の答えはもちろん、オッケーよ。大学でまた知識を付けるからさ、俺の変化も楽しみにしててね。


 じゃあじゃあ、近いうち会おう。


(終わり)

補記

 あの西城秀樹ではもちろんないです。適当に似た名前を引きずり出しました。ハイ、彼はまともな奴ですよ。というか、みつきが地雷すぎた……。なんだかんだ言って、みつきはみつきで僕を狂気に引きずりこみましたが、それでも僕の独立をくれたことには感謝しかないですけどね。

 そして、西城に出会って僕は自分を前に出すことができました。みつきには絶対服従でしたからね……。論破上手いし、学問の話は大抵の奴とはしませんし、それを除けば偏差値と人当たりの良さ以外はもう全負けでして。そして、西城には僕の考えが言えるようになったという訳です。

 二年の中では信頼できる奴が増えました。新しい親友枠だと、西城と信長と、2節の部長(詩織うたおり)ですね。


 あ、一応ですけど、僕が見下す人はなるべくみつきの陰口を言った人に限定している、ということを言っておきますね。内輪でも、傷つく人に対してマウントを取りたがる人は関係なくても冷たい眼で見ますけど……。無差別なんてことはないので、前回のごめんなさいね。

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