EX 登場人物紹介+ss
【ミーフゥル家】
・クレア=ルーブ=ミーフゥル
本作の主人公。
名家の産まれながらその霊力総量(最大MPと考えてもらって構わない)が異常に少なくミーフゥルの失敗作と呼ばれていた。
おまけに体も弱く(虚弱という程では無いが)結構な頻度で体調不良や病気に見舞われる。
頭は良いが身体能力は低い。そんなキャラである。
ここで"祝詞"について軽く説明すると、高次世界(時に縛られず、○○はこうなるといった運命的な力や情報が錯綜する次元。世界の外側と理解してもらって構わない)からの過干渉を防ぐために存在する"個である"という本能にも近い意識による障壁を剥がす為の呪文である。
本編でもちょこちょこキャトルが言及(出来てたと思う)していた通り、エネルギーを得られるものの、わざわざ防がれているものを取り込むという事に変わりなく、一緒に流れ込んでくる膨大な情報に人格の変化や崩壊が起きてもおかしくは無い、ある世界では禁呪とされる危険な代物である。
何故そんなクレアをキャトルは選んだのか。それはおいおい本編にて。
・ミヤ=ルーブ=ミーフゥル
主人公の妹。
愛すべき頭の弱い脳筋シスコンである。
霊神の中でも抜群の物理特化性能を持つユーグと契約した。
姉とは対処的に強い体を持ち、霊力総量は同年代で随一。
女性にしては高い身長と引き締まったスタイル、ショートカットが似合うルックスから持ち込まれる縁談は少なくないが、その淑女として何かが欠落している性格と本人の「姉さんが私の認めた奴と結婚するまで絶対に結婚しないっ!」という言葉に彼女の父親は縁談の悉くを即決で断っている。
余談だが、姉よりも身長は高い。
・ヒールズ=ルーブ=ミーフゥル
クレアとミヤの父。
現代日本で言うところの警視庁のお偉いさんである。
向上を司る霊神と契約しており一時的に人外とも呼ぶべき膂力を生み出すことのできる……いわば脳筋。
元の一人称は俺であるが、家督を継いでからは私と改めた。
脳筋ではあるものの頭も良く、ミーフゥルという家の特性上、霊契術の研究者でもある。
最近の悩みは淑女とは口が裂けても言えない風に育ってしまった下の子と何かと言い寄ってくるかつての後輩。
【ニルヘム国軍】
・ウィリアム=ノルド=バートレイ
ダリアの父であり夫であり上官。
師団の参謀も務める程の実力者である。
重鎮という割にはフットワークが軽く、現場に行ってから考える様な行動派であるが、立場的にそれも難しいため歯痒く思っている。
過去とある任務中に出会ったダリアの性質、才能を見抜き、死んだ妻とも似ていたことから妻兼娘として迎え入れた。
その後は彼女を暗殺者として育て上げ直属の部下として任務を下している。
時折自分でもダリアの複雑な立場に困惑することがある。
・ダリア=バートレイ
バートレイの娘であり妻であり部下。
バートレイに育てられた暗殺者。
契約した霊神もそれに特化した性能を誇り、天職であると自負している。
夫程自身の立場に困惑しておらず、本気で娘として妻としてバートレイを愛している。
本人の纏うオーラよりも元田舎娘であるためか下世話な話題、物事が好き。
作者「幼妻って良いよn(ry」
・ラット
バートレイ子飼いの密偵。
普通に暮らすには十分過ぎる程の金と能力を持っている筈なのに物乞い同然の暮らしが好きなのだと言って裏路地で暮らす変わり者。
その実、平和主義者であり不殺をモットーに密偵業に勤しんでいる。
高い酒よりも度数の強い安酒を好み、バーのマスターからもっと金を落とせと睨まれている。
これから活躍させたいと作者は思っている。
・4番(アリサ)
ニルヘム国軍でも屈指の実力者が集められた特殊部隊アーテリアのエージェントにしてヒールズの学院時代の後輩。
ニルヘム最高の防御力を誇る。
そのバリアを展開し、中の者を逃さない結界にすることもできる。
ヒールズが結婚し、一度は諦めた恋であったが作戦を共にした事で再燃した。
飛び級で学院に入れた程の天才であるが、こと恋愛に関しては策を練っても実行出来ない弱者である。
・24番
契約した霊神の特殊性からアーテリアに招集された新兵。
彼が契約したサトゥムは通常空間での能力こそ中の下といっても過言では無いが、"舞台女優"が形成した異界の様なおおよそ夢幻と表現出来る空間の中では無類の強さを発揮する。
アーテリアに所属したはいいもののサトゥムが活躍しそうな異界絡みの事件はそうそう起こるものではないので、平時は元いた警備隊の職務をこなしている。
【学院】
・ユークリフ=カノン
Cクラス担任。
自身の見た目には無頓着であるが生徒の成長が一番の喜びという良い先生。
霊契術の研究に打ち込んでおり、自分で戦うというよりも机上で理論を考える方が得意。
冶金の神と契約しており、周囲の金属を操ることが出来る。
・ヒューズ(第3王子)
ミヤに縁談を持ち込んで断られた内の一人。
ミヤが普通の家の出ならば断られる事も無かったのであろうが、ミヤが家の特性上、政治にも権力にも意欲の無いミーフゥルに生を受けたのが運の尽き。
本人の性格的に諦めるということを知らず、ミヤの事を「俺からの縁談断るとか……おもしれー女」と思っている。
ネタかつ空気になってしまってはいるが、彼が契約した霊神はトップレベルでありAクラスに相応しい実力者であることは言っておこう。
作者的には出番をあげたいキャラの内の一人。
・ユル
ミヤが認めた数少ない
刀に宿るコマツという謎の霊神と契約している。
戦闘になると性格変わっちゃう系男子。
騎士爵の息子で武功を立て自らも騎士爵になる事を夢見ている。
・ヒューズ親衛隊の女子
ミヤに嫉妬しちゃう系女子。
・バルト
C組男子。
代々引き継がれし篭手を引き継いだ平民の子。
出番はない(とも言い切れない)。
【アムレザル】
・貴族然とした男
ニルヘム妥当を目指す。
最近の趣味はお菓子作り。
・草臥れた男
アルターエゴの開発者。
いわゆるマッドサイエンティスト。
最近の趣味は昆虫採集。
【被害者の会】
・舞台女優
恩人で師匠でもある大女優が引退したことで私の居場所もなくなるのではと不安になり手を出した。
布地卸の娘だったが、大女優にスカウトされ舞台女優の道へ。
努力し地位を築いていたが、実力をつけようと焦るばかりアルターエゴの作用により人を殺め、堕ちた。
・裁判官
裁判官として公正な裁判が出来ない現状を変えようとアルターエゴに手を出した。
こちらは"完成させる"ことを意識した検体であったため定期的なアルターエゴの摂取ができ、また生まれた別人格が本人のそれと大差無かったが為にアルターエゴが切れるまで正気を保っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あー。ねむ」
私、ユークリフ=カノンの一日は学院に備え付けられた職員宿舎の私室から幕を開ける。
朝食用にと用意しておいた林檎を平らげると如雨露に霊力を馴染ませた水を注ぎ、ベランダへ出た。
陽は今日も照っていて、植物達にはさぞ過ごしやすそうな日和である。
鉢に植わった花達に霊力入りの水と普通の水の割合を変えながら与えると霊力の割合の大きい方から発色が良くなり、グラデーションの様な並びになった。
「・・・やはり霊力とは生命の源の様な物なのか」
まだ植物での実験しか行っていないためはっきりとはしないが、その可能性は高いと見られる。
『おいおい、それじゃ私があんたの寿命を吸い取ってるみたいじゃねぇか』
「おはよう。テリフタ」
『おう』
限りなく細く延ばした金属を束ねた様な彼女の髪が揺れる。
「・・・いかに霊力が生命の源だとしても外部から摂取出来るのだから寿命に直結はしないと思う」
『そうかい。そりゃ良かった』
テリフタが金属製の窓枠を指でなぞるとその手に金属で造られた花が握られていた。
『毎日毎日、性懲りもなくキチッと着こなして学校に来るのはだるくはないのかねぇ?』
「流石その粗暴さで男神として描かれる事もあるくらいだ、服装に頓着が無いのも理解出来る」
『・・・あんた、人の事言えねぇじゃねぇかよ』
「それはそれ。これはこれだ」
『・・・ちっ』
テリフタは舌打ちしてそのまま消えてしまった。
その銀髪も、勝ち気な吊目の緋金の瞳も誰しもが振り返る美しさだと言うのにその性格で男神として描かれてしまう程の彼女だ。その怒りの壺だなんて分かる筈が無い。
「まぁ、それとなく分かってしまうのが契約者なんだけどね・・・」
我が冶金の女神は存外乙女な一面も持っているらしかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます