5.お札
和尚は黙って私の話を聞いていた。私の長い話が終わると、ようやく口を開いた。
「その指輪は今どこにあるんかの?」
「私の家のたんすの中」
「あんたが
「しかし、和尚。雪子と私は相思相愛だった。雪子が好きな私を殺すなんて?」
「雪子は怨霊じゃ。怨霊は死ぬ間際の言葉に左右されるのじゃ。あんたと相思相愛じゃったとしても、死んで怨霊になったら関係がないんじゃ。あんたが裏切ったら、あんたを殺すことしか考えておらんわ」
そう言うと、和尚は仏壇の下の引き出しから何枚もの紙を取り出した。梵字が書いてあって、寺の写真が印刷してある。
「これはお
その夜、午前零時になる前に、私は家の全ての出入り口・・換気扇の出口や、クーラーの排気口にも・・そのお
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