第2章
第27話 同期の姉妹
「お疲れさまでした。」
「うん、ソラ君もね。」
島から戻ったきたときにはすでに夜になっており、セントラルはきらびやかまネオンの明かりに彩られていた。
「ホテル手配しておきました。 そこで、明日からの任務を伝えます。」
「そうなの? なんか最近任務が多い気がするね。」
以前は毎日毎日立て続けに任務が続くことはなかったような気がする。
悪魔の動きが活発になっているということなのだろうか。
「では、明日の任務について説明致します。」
ホテルの一室で、椅子に座ったソラ君がいつもの生真面目な表情で話し始めた。
「明日は退魔師の方と合流して、船で東にある無人島へ救出任務に向かいます。」
「また島か。。。救出って誰を??」
「あの・・・あなたのお兄様である”レン”さんです。」
僕の質問に少しだけ目を伏せた後、ソラ君は落ち着いた口調で答えた。
「でも、あのアニキがそんなヘマするかな。 めちゃくちゃ強いし。」
4つ上の兄は昔から優秀で、退魔師になると行ってからほとんど口きいてないが
教団でも職制に就くような人だった。
「今日の夕方、救難信号が送られました。 受信した救難コード確かにレンさんだったそうです。ただ、今の波の状態では船は出せないため、
明日の朝一ということです。」
「でも、あのアニキだから僕らが行っても逆に迷惑じゃないかな?」
「すぐに出れる人が少ないのでしょう。 昨今職制の方はバタバタしておられると聞いています。」
「まあ、こっちで考えてもわからないしね。」
「はい。 では、失礼します。」
アニキのことは心配だが、最近は全く連絡を取っていないから、変な感じだった。
小さいころからなんでもできる人だったから、救難信号なんてにわかには信じがたかった。
ーーーーー 翌朝 ーーーーー
朝4時、天候が回復したので地元の漁師の方に協力していただき船を出せるようになったと連絡が入った。
船着き場に着くと、ソラ君と忍の女性1人、退魔師の服を着た女性が2人が立っていた。一人は水色の特徴的な髪をしていたので、エルであることは分かった。
「あれ。 弱虫だ。」
僕を見るなり失礼な物言いをした女性は、レイの双子の姉の"アリス"だった。
金髪の一つ結びに、切れ目が特徴的な彼女は以前からなにも変わってなかった。
「アリス久しぶりだね。 もうあの頃の弱虫じゃないよ。」
「いーや、あんたはずっとあたしの中では弱虫なんだよ!
っていうか最後の一人があんたとはね。 自分の兄のことなのに。」
「遅い。 遅刻。」
アリスの後ろにいたエルはこちらをじっと見つめたまま、ぽそっとつぶやいた。
(うーん。アニキのことは心配だけど、なんか違和感があるんだよなあ。)
「あれ、この五人で行くの??」
どうやら僕で最後だったようだ。
「なに?不安なの?? 大丈夫よ。天才美少女退魔師の私に任せない。」
アリスは胸を張ってふふーんと言った。
「ふふ。アリスのそういうところは変わってないね。」
僕がそう言って笑うと、無言でデコピンを受けた。
「いてっ!」
アリスは何も言わず、ニヤニヤと笑っていた。
「おーい! 準備ができたなら船出すぞ! 乗れ!」
地元の漁師さん5人加えて、僕らは夜明け前に出港した。
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