(11)
「で、お前やこいつは、その……『魔法使い』を検知する結界を通っても大丈夫なの?」
俺達は、一端、「有楽町」まで戻って「九段」行きのリムジンバスに乗り、「九段」へ向かった。
俺の御目付け役は俺の元弟子の吾朗。
だが、「力を失なった『魔法使い』」である俺がやらされる仕事に同行するのが現役の「魔法使い」である吾朗と……魔法で改造された「フランケンシュタインの怪物」なのは……イマイチ、理屈が通らない。
「残念ながら、俺の階位は、まだ、2=9『
「ああ、そう……。そう言や、こいつ何やらかしたの?」
「まだ、このNEO TOKYOに『自警団』が出来たばかりの頃、『秋葉原』の自警団の下っ端といざこざを起しましてね……」
「えっ?」
「そのいざこざが、こじれにこじれて……まぁ、その『いざこざ』はウチの勝ちで終りましたが、いざこざの原因をそのままにしておくのも外聞が悪くてね……」
なるほど……総帥サマが自分の恩人を殺さなきゃいけない事態を招いたボンクラの成れの果てが、この「フランケンシュタインの怪物」「
リムジンバスが走っているのは、この「偽物の東京都千代田区」の3大幹線道路の1つ。
本物の東京に有った通りの名を取って「昭和通り」と呼ばれてる「島」の4つの地区を円形に繋ぐ道路だ。
そして……たしかに、「有楽町」地区と「九段」地区の間で、何かを感じた……。これが「結界」なのだろう。
その時、窓の外を風に舞っているモノが目に入った。
薄いピンク色。
だが……もう……五月の筈……。
どうなっている?
「な……なんだよ……あれは?」
「バイオテクノロジーの産物の中でも……馬鹿馬鹿しさに関しては世界有数の代物ですよ」
「えっ?」
「花を咲かせるようになってから……数年で木が完全に枯れてしまうみたいですけどね。でも……その代り、1年中、花を咲かせる事が出来るみたいです」
偽物の「九段」の町中には……季節外れの桜の花が咲き誇っていた。
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