第2話 ロリエルフちゃんともふもふ犬

「うんしょ...うんしょ...」

耳が三角にとんがっていることからエルフであると一目で分かる

エルフは本来自然豊かな深い森にいるが故に人間の生活圏では見ることがない為街の人々から珍しい物を見るような視線を向けられるのだがエルフの少女に向けられているのは微笑ましい物を見る優しい目だ

「今日も可愛いわねぇ〜エルちゃん、お使いかい?」

野菜や果物を売っている露天商の老婆に話しかけられる

「そうなの!エルはおつかいちゅうなの!」

老婆の前に駆け寄るとエルと呼ばれた幼いエルフの少女はパンパンに膨らんだ買い物袋を見せる。どうやら行く先々でおまけを貰ったようだ

「可愛い子にはこの林檎をあげるわ、あとでお母さんに剥いてもらってね♪」


「わぁ、林檎だ!ありがとうなの!エルかんしゃなの!」

満面の笑みを浮かべ露天商の老婆に感謝の言葉を告げる。

「いいのよいいのよ〜」

「おばあちゃん、またくるね!」


「エルちゃんも気をつけるんだよ〜」






「おや、かわいいビジターお客じゃないか、おつかいかな?」


「このやくそうっておみせにありますか?」


「おやおや、これは珍しい、探しているのは蒼月草そうげつそうかい」

蒼月草は回復薬、ポーションの作成に使われる薬草で比較的安価部類の薬草。

主に下級ポーションの作成に使われる

「おいていないの?」

しょんぼりとした表情のエル

「大丈夫だよ、丁度この前入手出来たからね今持ってくるからこの飴玉でも舐めときな」

エルに飴玉を握らせてちょっと待っててと言い残し奥の倉庫に消えていく魔法店の店主


「あったわよ、蒼月草、銅貨16枚分でよかったかしら?」


「それで大丈夫なの!」


「そうかい、家の前まで送ってくよ」




「大丈夫なの!」

そう言って



奥の木箱の中で動く白い影


ピンとたった白い耳に黒い目、クルンとした尻尾が可愛い子犬だった。

「むむむ?ワンちゃんだ」


「きゃん!」



つづく




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88歳のロリエルフ、もふもふと一緒 赤ぬこ むぎ猫 @akanuko

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