二の輪 5
うっすらと、目を開く。
〈皇王、陛下?〉
薄暗い空間に映る澄んだ碧色の瞳に、ライは動かない首を傾げた。何故、しがない一つ輪の近衛騎士でしかないライが横たわる側に、偉大なる皇王であるレクトが? しかし疑問が口をついて出る前に、ライの身体は温かい腕に抱き締められた。
「良かった」
ライの胸を、涙が濡らす。
皇王陛下は、何故、泣いているのだろう? 再び、意識が途切れる前に、ライが感じたのは、底知れぬ違和感、だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。