第13話 ドラまた
が、当然、何のバフスキルを使用してなくてもダメージは0だ。
――――最早、盾すら構えてなくてもいいのか。
まあいい。
この世界において三龍の一角と呼ばれるほど畏怖の対象であったとしても、チート級のインフレステータスの前では雑魚のスライムレベルだ。
「せめてもの慈悲だ。全力を持って対応しよう」
聖剣『エクスカリバー』を構えて(ちなみにこの剣の名前は忘れたのでそれらしい名前を付けただけ)アームズスキルを発動しようとする。
すると、システムログが点滅した。
「…………またか」
多分、新しいアームズスキルでも覚えたのだろう。
意図したわけでもないのに攻撃的なスキルばかりを覚えるのも考えものだ。
とりあえずログを見てみると、『神々の御礼』により新たなスキルを習得したとある。
発動条件 剣を両手に構え、近似ワードを含む3つのセンテンスを詠唱する。
効果 直線上に光属性広範囲大ダメージを与える。
「あ~…………、はいはい。例のセリフっぽいやつね」
こほんと咳払いをし、盾を地面に突き刺して剣を両手で握り上段に構える。
「この輝きは星の願い、希望の命は煌々たる未来、見て受けて感じろ、
歯の浮くような台詞と同時に剣を振り下ろすと、眩いばかりの光の束が放たれ、
ついでに周辺のモンスターも一掃してしまい、システムログに大量のドロップ品が表示されるが、目当ては『リベラルヘルム』。
見た目が黒くてデーモン顔っぽくなるオシャレ装備で、特殊効果は戦士しか使えない『挑発』スキルが使用可能というところか。
まあ、あんまり需要はないが、今後の何かで役立つかもしれないし、ゴスロリ系頭装備として見ればファッション性はそこそこあるかもしれない。
と、まあこんな感じで次々と場所を変えて
ルソレイア王国から北へ行った『ティンバー氷河』にいる『
『
発動条件も効果も似たようなものだったので、凍てつく咆哮でこちらを威嚇する
「希望の光は世界の果て、
闇夜に吹雪く氷河を強烈な閃光で照らし、蒼氷龍をあっさり蒸発させた。
ドロップ品は各種高級素材と時々2~5回攻撃発動の両手杖『マーキュリーポール』という鈍器武器だ。
両手杖なので攻撃魔法師や回復魔法師がめちゃくちゃ殴れる脳筋武器として要素しかないが、そこはコレクションとして割り切る。
次は西側の大陸、ヴィクトリアス連邦近くにある『サールスティ地溝』に生息している『
ここは地上から行くと迷路過ぎて迷子になるところだが、グリグリに騎乗しているので心配はなかった。
上空より目標を発見したので、装備欄から見た目それっぽい片手剣(名前を覚えてない武器がいっぱいある)に持ち変える。
「星の原初を裂く我が魔剣、死して固まり、森羅万象の裁きを受けよ。
漆黒の波動が
ドロップ品の『ヘラルドサンダル』は移動速度+15%付与されるもので、ストロッターブーツが前衛用ならこちらは後衛用といったところか。
さくっとアース=レンドにおける最強の三龍を消し炭にしてしまったが、まだまだ龍族はいる。
ただし、そこへ行くのは若干、面倒だ。
『聖地ザ・サ』と呼ばれる針葉樹林エリアの奥に『世界樹ユグドラシル』があり、その中にある『怨龍のねぐら』に何体か生息している。
とはいえグリグリに乗って行けば道中の苦労は一切なし。
『世界樹ユグドラシル』も針葉樹林からでっかく
ところがどっこい、やっぱり面倒だった。
『
確か抽選ポップだったのに何かしらの不具合だろうか。
仕方ないので今度は範囲魔法で二匹同時に一掃することにする。
龍族を効率よく仕留める魔法をイメージしたら、すぐにシステムログが点滅し、新たな魔法を習得した。
これは、あれか。
ドラゴンも跨ぐあれか。
「
目も眩む強烈な閃光が二匹の真龍を覆って蒸発せしめたついでに、世界樹にも大変な被害が出たようだが、環境保護の概念がない世界なので良しとする。
ファブニールからのドロップ品は時々2~3回攻撃の『邪剣リディル』で、ニーズヘッグからは合成で使うレア素材と、『極怨装備』という呪われた装備でNPCに解呪してもらう必要があるものだった。
龍族は残すところあと一匹。
鼻歌混じりで次の場所へと行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます