面倒くさい女(ヒト)

可笑しいからってあなたは笑うけれど

楽しいからあたしは

微笑みたい


すれ違って二人

通りすがりに知り合って

その通りだからと

アナタの声は背中越し


そういうことなのね

(アタシはつぶやいて)

そういうことなのさ

(アナタはささやいた)


どれだけ逢っても(ワタシ)

こんなに付き合っても(アナタ)


それでも

それでも

あなたの気持ちはわからない


君は何をしたいんだい?


何を言ってるのキミ

分かってるの?


だったら誤魔化すなヨ

そういう事だろ?


ああ!もう(何てこと)

そういうことじゃないんだってば

そういうことじゃないのよ

わかってよ


こうでも言わなきゃ

君の本音は聞き出せないから

だろ?

意地悪なことなのかい

キミにとっては


嬉しがって見せたらいいの?

喜んで見せたらアナタはいいの?

喜ぶと思ってるョ(キミは)

喜ぶと思ってるの(アナタは)


何でこんなことで

苦しいの

悲しいの

怒ってる

泣いちゃダメ?


泣いちゃダメ

アナタはワタシに念を押す

分かってるって

私はあなたに言い返す

ダメなヒト


おあずけはもう沢山

二人は同時に言ってみた


好きと言ってと私が問えば

惚れているんだよ

俺たちは


しゃあしゃあと臆面もなく

呆れたあたしに彼は言う


そうなんだろ

そう思ってるよ

信じてる


こういう人なんだ

そういう人だから


分かってる

肩の荷を下ろして

アタシは言う


気まずいけど

ぎごちない二人の口元に

浮かぶおもての表情が

言いたいことを語ってる


どうしよう

困り果てて苦笑い

それでも二人は離れない


大人になりたい

おとなになろうよ

私はあなたにうなずいた


これでいいのね

私は自分を納得させる


アタシは幸せかしら

それは君次第だよ

そうなんだ

そうなのさ


二人の気持ちは

すれ違っても通い合う

そうだよね


「そうだよね」


私はあなたに微笑んだ

そんな私を笑ってる


可笑しくて楽しい

それでいいんだ

しあわせは


一緒よ





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