KAC20224 大魔王からは逃げられない
ちょせ
異世界の本屋
「いやー、どうもどうも。羽龍のアギトです」
「よろしくお願いしまーす。羽龍のモモです」
こほんとせき込んでから
「先日なんですけどね、フレンの街の本屋でのことなんですけど」
「なにその雑な振り。まあいいけど、それで?」
「いい魔導書が入ったって聞いてちょっと様子を見に行ったんです」
「魔導書の様子を見に行くってなんなの?」
「ああ、ほら結構値段するでしょああいうのって。だから買えるかわかんないし、ちょっと様子を見に行こうってなって」
「あれよね、その言い方だとアギトだけじゃないよね行ったの」
「おっと、鋭い。そうですね、情報源でもあるフレアのやつと行きまして」
「あーフレアね。魔法使いのクソ爺」
「なんでクソ爺っていうの?仲間でしょうに」
「だってあいつ、いつも私の尻を触ろうとするんだよ?クソ爺じゃないわ、エロクソ爺だわ」
「ひどいなあ。まぁモモの気持ちはわかるけど」
「わかるんならあいつクビにして」
「それは無理だよ、だってうち唯一の攻撃魔法使いじゃないか」
「はぁ…あんたが魔法覚えなさいよ。っていうか魔導書見に行ったんでしょ?ならその気があるってことじゃないの?」
「ええまあそうなんですけど。それで本屋でですね、お目当ての魔導書を見ることができまして」
「へえ、どうだったの?」
「や、もう最高でした。攻撃力といいますか破壊力と言いますか最高だったんですよ」
「いいじゃない、買ってないの?高かったとか?」
「そうですね、お値段もさることながらフレアの好みじゃなかったとかで。ええ、残念ですね」
「でもクソエロ爺はクビにできるんなら買おうよ。いやほんと結構マジで。あいつの意見とかどうでもいいじゃん」
「あーそれがですね、それもうちょっとなんといいますか、乗りこなせなかったといいますか」
「乗りこなす?騎乗できるものなの?魔導書だよね?」
「ああいえ、様子見した結果なんですよ」
「だから様子見ってなに?本だよね?」
「まぁ、今回はご縁がなかったということで」
「私あきらめないからね、ちょっと本屋行ってくるわ!」
「ちょ、まって、やば…」
ゆっくりとモモが出ていき、そして帰ってくる
「ねえアギト、あれは凄い魔導書だったね?」
「あ、はい」
アギトの首筋に剣を当てながら
「いやー大きなおっぱいだったよ…あのお姉さん。アギトああいうのが好みなんだ?」
「はい、すみません」
「なんで謝るの?それで私の胸をみるなああああああああ!」
「みてませんみてません!」
「殺すぞ?」
土下座をしてから
「すみませんでしたーーーーー!」
「はぁ、もういいよ」
アギトが立ち上がってから
「「どうもありがとうございましたー」」
ちゃんっちゃちゃと言う音楽とともに出ていく
するとそこにいたのは羽龍のフレアだった
「あー、いい出来だったのう、もうちょっとネタは作りこみが必要かなと思うが」
「あ、ありがとうございます」
アギトがお礼をする
二人の師匠みたいな立ち位置であるフレアはネタの最中でいじられても寛大な心で赦している
「ねー、フレアさん…フレアさんの好みじゃないってどういうことなの?」
「ああそれはな。ワシ、尻派なんじゃよ。でかい乳よりも尻がたまらんのじゃわ」
そういってモモの尻に手を伸ばす
「殺すぞ?」
ひゅっと手を引っ込める
「おお怖い怖い」
「あとさっきの漫談でも言ってたけど、お爺ちゃんもうクビだからね?」
「「え?」」
アギトとフレアの声が重なる
「私のアギトに変なこと吹き込むし、エロいわでもう限界なの。今までありがとう」
「ちょっとまて、今ここでフレアが抜けたら魔法使いはどうするんだよ!」
「もう探してある、大丈夫若い子だからね‥‥胸の大きくない魔法使いの女の子よ。アギトは手を出さないってわかってるけどね」
そういうモモの眼が鋭くアギトに突き刺さる
「あ、はい。私のアギトってどういう」
「黙れ殺すぞ?」
「はい」
「じゃ、先に打ち上げする店行ってるから、ちゃんと来るのよ」
そういってモモは出て行った
「のうアギト…」
「フレアさん…逃げていいですか?」
「ワシ今日から無職になったんじゃが?」
「いや、それは自業自得って言うか…」
「まあお前さんはもう逃げられんよ。言うじゃろ?大魔王からは逃げられないと」
そう言い残してフレアも帰っていった
「くそう・・・・誰だよ、大魔王が可愛いっていった奴は…確かに可愛かったけど…胸がなぁ…あ、っと殺されないうちに店に行かなきゃ」
アギトの未来に幸あれ
KAC20224 大魔王からは逃げられない ちょせ @chose
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