クラスに忘れ物を取りに行ったら美少女2人が百合してた

第61話 やっぱり素直じゃない

「でもいいじゃない？仲良くなったようだし」

　開き直るように言う氷見谷に、

「仲良くなった？」

　少しキレ気味に千葉は氷見谷を睨みつける。

「なってないの？団らんと話してたじゃない」

「確かになったけどさ」

「でしょ？なら私の作戦は成功じゃない」

「最後のせいで全部台無しになったわ！」

　千葉は怒鳴ると、そのまま氷見谷を押し倒した。

「なに？心葉誘ってる？」

　興奮しているのか、頬を赤らめ息を荒くする氷見谷。

「違うわ！私は怒ってるのよ！」

「私のせいでエッチな雰囲気になったから？」

「そうよ！あんたもなんか言ってやんなさい！」

「お、俺？」

　いきなり話を振られたた俺は動揺するが、

「氷見谷、今回は千葉の意見に１００％同意だ」

　この件は、氷見谷が俺達の関係をよくさせ、また気まずくさせた。

　全部攻めるのは申し訳ないと少し思ったが、ここで氷見谷の味方をしてしまうと千葉にキレられそうなのでやめておく。

「なんでそんな嫌がるのかしら？私は寝取られるのは嫌だけど、２人がちゃんと恋人とかになったら全然構わないわよ？むしろそっちの方が興奮する」

「おい、前と言ってること逆じゃないか」

　俺と千葉がもし、恋人になったらライバルになるとか言ってたじゃないか。

「確かに、ライバルだとは思うけど、三角関係もありだな～って。３Ｐとか面白そう」

「誰がするか」

「そうよね。最初の頃３Ｐのチャンスを逃したものね」

　含み笑いをする氷見谷。

　ちょっと後悔はしている。初体験が３Ｐとか普通に武勇伝に出来そうだ。

　だが、今そうゆう問題ではない。

「私とあいつが付き合うなんてありえないから！」

　千葉は氷見谷の頬に指を突きつける。

「あら、そうなの？残念」

「そうよ！だって、羽彩と付き合ってるし他はいらないわ！」

　そう言い切る千葉に、

「ふーん、へぇ～」

　氷見谷は不快な笑みを浮かべる。

「なによ、その怖い笑顔は」

「いえ？ただ心葉はやっぱ素直じゃないなーって思って」

「私は…………素直よ」

「本当？顔に少し本音が出てたんだけど？」

「なにも出てないわよ！……………変なこと言わないで」

「今は聞かないであげるわ」

　と、氷見谷は千葉の胸を掴みながら起き上がる。

「ちょっと、何すんのよ！いきなり」

　隠しても意味のない胸を隠しながら千葉は怒鳴る。

「乙女の顔をしてたからつい」

「どんな顔をしてても揉むでしょ、羽彩は」

「毎日でも揉むわ」

「おい、その辺にしてくれないか？」

　この雰囲気、また百合が始まりそうなので俺は口を挟む。

　場所はベッドの上、目の前には百合を始めそうな美少女が２人。部屋には、まだ甘い匂いが漂っている。

　俺の理性が保ちそうにないからな。