第4話 ただのドS変態
「でも……………」
「完璧にガン見されてたから言い逃れも出来ないわ」
「確かにそうだけど……………」
千葉は肩を竦める。
「それに…………」
氷見谷は俺のほうをじっと見ると、
「立川くん、あなたはモラルというものはないのかしら」
氷の様な冷血な声で言った。
「いや、モラルがないのはどっちだよ」
教室で激しく百合しているやつに言われたくない。モラルのモの字もない行動だろ。
「別に私達は反してないわよ?」
「その心は?」
「だって、こんな広い所で人に見られるかもしれない状況でするエッチとか……最っ高じゃない?」
「それはただの感想だろ!しかもモラルのクソもないし!」
「一様、教室外に声が漏れないように最低限のモラルは守ったつもりだけど?」
「バリバリ聞こえてたし、普通に頭大丈夫か?お前」
「私はいたって普通だけど?」
艶やかな黒髪をなびかせながら、クールな顔つきで言った。
普通………………人によって普通の捉え方は違うが、これが普通というならばこの世は崩壊してるだろう。
「氷見谷、お前もっと真面目な奴だと思ってたぞ…………」
俺は頭を抑えながら、少し俯いた。
「真面目な人は性欲が強いって知らないの?それにずっと真面目ちゃんでいるのもつかれるのよ」
「それで、息抜きとして教室で千葉とヤってたのか?」
「そうね。でも私は可愛い子をイジメてその反応を見るのが好きなのよ。もう興奮が止まらなくなる感じ」
ビクンと体を震えさすと、
「しかも心葉は私と違って貧乳だから、イジるのも楽しいし敏感だから何もかもが最高なのよ」
「ちょ、変な事言わないでよね」
千葉は赤くなりながらも、焦って氷見谷の口を手で抑える。
どうやら氷見谷はドS変態だったようだ。
学校の時の姿からは信じられないような性格だ。それに、発言も清楚なお堅い人とはうってかわってただのドSお嬢様になっている。
別に、俺はこの2人が百合していてもどうでもいい。でも一つ。
「人の机で行為に及ぶのはどうかと思うんだが?」
こいつらが俺の机でシていた事だ。
廊下側にある千葉と氷見谷の席。自分の席でやればいいものの、わざわざ窓際の席でやる意味が分からない。
「別に立川くんの席を故意に選んだ訳じゃないわ」
「だとしても、なんで窓側でやるんだよ」
「ロマンよ!」
「はぁ?」
ドヤ顔をする氷見谷に俺はアホな声が出る。
「放課後の夕焼け照らす教室の窓側の席で、クラスのギャルと生徒会長が百合してるのよ?しかも攻めが真面目な生徒会長!最っ高に燃えるシチュエーションじゃない?まぁ単純に私がSっけがあるだけだけど」
「…………………はぁ」
氷見谷はどうしようもない変態の様だ。
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