第5話 2人の関係
「お前らの特殊性癖はどうでもいいけどさ、結局2人はどうゆう関係なわけ?」
絶える事なく出るため息を抑えながら言うと、
「ちょ、私まで氷見谷と一緒にしないでよ」
「どう考えても一緒でしょ」
「どこが!?」
「教室で氷見谷にイジられてイってたのは誰だったかな?」
「なっ!………………それセクハラだよ!?」
「セクハラ?公共の場でエッチしてる方がセクハラというか犯罪なのでは?」
「………………。」
俺の正論に、千葉はグーの根も出なかった。
セクハラ?こちとら自分の席を愛液まみれにされてるんだぞ?
一歩間違えたら犯罪な事してるんだぞ君たち。まぁ、短時間であったが隠れてそれを見ていた俺も大概だがな。
「それで?2人は付き合ってる感じ?それともセフレみたいな?」
話がズレてしまったので本題に戻す。
「関係って………」
言葉が詰まる千葉に対して、
「どっちかと言うと付き合ってる部類に入るのかしら」
キッパリと氷見谷は言った。
「付き合ってるのか」
「えぇそうね。休日には一緒に買い物に行くし、放課後休日問わずに心葉の家でエッチだってしてるわ」
「学校ではあんま仲良くない雰囲気出してるのに意外だな」
「別にクラスメイトに言う必要なんてないじゃない。それに学校では私と心葉は正反対の生活をしているし、そもそもの接点なんてないわ」
確かに、俺は2人がクラスで話しているのをあまり見たことがない。
聞いたことがあるのは、クラスの委員会決めの時だったり提出物の事だったり事務的な事で2言くらいで終わるくらいの会話だ。
ここで疑問が浮かぶ。
「ならさ、なんで2人はそうゆう関係というか、付き合う事になったわけ?」
学校で接点がない2人。何がきっかけか知りたい。
「それはね―――――」
「大した事じゃないから!聞いても意味ないから!」
言おうとすると、千葉は焦ったように氷見谷の口を手で覆う。
これは何か隠しているな。
「え、明らかに焦ってるよね?」
「なな何のこと?」
「ほら、呂律が回ってないし、目も泳ぎまくってるぞ?」
「そうかな?気のせいじゃない?」
吹けない口笛を空ぶかししながら、天井を見上げる千葉。
分かりやすいなこいつ。嘘が付けないタイプだ。
「ま、まぁその話は置いといて――ひゃ//」
千葉は突然甘い声を上げ、氷見谷の口から手を離した。
その手を胸元で隠しながら、
「な、なんでもな~い」
と、また誤魔化した。
よく見てみると、若干、千葉の手の平は濡れていた。これは氷見谷に手を舐められたな。
手を舐めるのも、舐められて声を出すのも、やっぱりどちらも変態のようだ。
「私たちが付き合った理由は、心葉が教室でオナニーしてるのを私が見つけて、そこから私とエッチするようになって結果的に付き合ようになったって感じよ?」
口が自由になった氷見谷はペラペラと馴れ初めを話し始めた。
前言撤回。千葉の方が変態なのかもしれない。
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