第2話 人の机に愛液を垂らすな!

 おいおいおい!教室で勝手に百合してるのは別にいいんだけどさ、いや良くないんだけども!教室に死ぬほど入りにくいんですけども!

 一旦それは置いておいて!人の机で行為に及ぶのはどうかと思うぞ!?


 後片づけしっかりしてくれるなら…………よくはないけど、まだ許せる。

 だけど、翌日俺が席に行くと愛液がカピカピの状態で机に残ってたらどうするつもりだ。


 あいにく、俺はそれを舐めたり採取する変態じゃないから不快極まりないだけだ。

 ドアの隙間からちょっと見える限りでは、既に机の側面のバッグを掛けるところに氷見谷のアソコから糸引いてるし。


 別に軽蔑するほど嫌なわけではない。見る分には興奮だってする。

 俺の息子もご満悦の様だし。だが、それは別の話。綺麗に使ったり後片付けはして欲しい。


「ねぇ、そろそろやめようよ―――――んっ//人……………来ちゃうよ」


 口から唾液を垂らしながら、千葉は氷見谷に言う。


「ヤダよ…………まだお楽しみはこれからじゃない」


「でも……っ/人来ちゃうって//」


「来ないわよ。それに来たら来たでこの状況の中入れないだろうし」


「んっ―――らめぇ//っ………………」


 普段の容姿から想像も出来ない小悪魔な笑みを浮かべる氷見谷は、そう言うと千葉に濃厚なキスをして口を塞ぐ。


 いや、お楽しみの所申し訳ないんだけど、ドアからこっそり覗かれてますよ?君たち。


 夢中で気付いてないだろうけどさ、全部会話も聞こえてるし、君たちが愛液まみれにしようとしている机の持ち主がドアの裏に居るんだけどね?

 ただ忘れ物を取りに来ただけだけど。


「あんっ//………そんなに激しくされるとっ―――んぁっ………」


「私がいいって言うまでイっちゃダメだからね?フフっ」



「もうっ//ダメっ!…………イっく//んんっ――――//」


 さてどうしよう。

 今、俺の机は千葉の愛液まみれになってしまった。ついでのバッグを掛ける所と床は氷見谷ので濡れている。


 課題に掛かっていなければいいのだが。

 さらに入りにくくなってしまった。


 でもよく考えろ。俺はただ忘れ物、課題を取りに教室に取りに行っただけで、中に入っても何も悪い事はしていない。

 2人が教室なんかでおっぱじめてるのが悪い。しかも人の、俺の机で。


 俺は開き直った。

 中に入って2人に何を言われようが、俺は完全潔白の無実だ。


 100%悪いのは2人だ。

 これでもし、文句を言われたなら人の机を汚すなと言い返せるし、そもそもこの2人の関係自体弱みになるだろう。


 よし、俺は今からこの教室に入る。


 そして、顔色一つ変えないで机まで行き、2人の事など見えてませんみたいな余裕な様子で中の課題を取り、家に帰ってシコる。

 完璧な計画だ。

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