子どものための

バブみ道日丿宮組

お題:団地妻の映画館 制限時間:15分

子どものための

 育児に疲れた主婦たちの心を癒やすため、負担を減らすために新たなマンションが建設された。

 そこはまさに病院、保育園、幼稚園とまさに何かが起こる時行動にすぐに調整できるようにと考えられたものだ。

 もちろん、競争率はかなりのものだった。

 子どもの教育は主婦の負担はマンション内で済ませることができるから。

 だが、しかし問題はそれだけじゃなくならない。防音など子どもの声をシャットアウトするようにされたり、たくさん調整は当然のようにされた。

 バリアフリー設備も充実、転んでも大丈夫な階段、廊下。

 不審人物を見つけたらすぐに通報できるシステム。

 当然……かなりのお金が必要になる……はずだったが、それはお金持ちたちの寄付、子どもを支援する様々な人達からのお金でごく一般的な家庭でも住めるものとなった。

 その団地一体にそのシステムで作られたマンションができた。

 その中で特に喜ばれたのは、マンション内にある映画館だ。もちろん、これは無料では使えない。事前予約、使用料金が必要となる。

 とはいえ、団地妻たちが集まって同じ映画を見るのであれば、普通の映画を見るのと値段はさほど問題はない。しかもお互いに子育ての大変さ、子どもがどういった行動をとるのかを理解してる。

 これによって、ある程度……心の癒やしは保たれた。

 が、一部の枠外に漏れた主婦の嫉妬や、苛立ちの青い炎は消えることはなかった。

 ある時は企業に訴えたり、ある時は病院の邪魔をしたりと迷惑をし続け、逮捕されていった。そのために防壁をつけるなどの対策をしても、病院は病院。患者を受け入れない訳にはいかない。当然のことだ。

 そうなった事実を見せつけても炎はより一層強くなるばかり、同じ母親という立場のはずの存在が子どもの大きな害と変貌した。

 まさに鬼となった。

 貧困の差ではなく、心の広さ。


 止める団体、増やせと過激に騒ぐ団体のやりとりは終わらない。


 誰もがいいというそんな甘い世界はどこにもないのだから。

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子どものための バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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