犯罪管理体制
バブみ道日丿宮組
お題:当たり前の唇 制限時間:15分
犯罪管理体制
人の習慣には挨拶というものがある。
浮気、不倫の証拠をなくすために世界には、唇を重ねた画像を毎日国に送らなければいけなくなった。時間も何度か指定されており、理由なきものは浮気、不倫をしてると判定され調査対象となる。
だからこそ、外であろうと家の中であろうと、学校の中であろうと、
「……」
無差別な唇と唇のふれあい音が聞こえてくる。
全く相手のいないボクにとっては不愉快な音だ。家族ならまだいいが、思春期のボクにとって教室内がそんな状況だと性情報に良くない。
欲求不満にさせるためのルールじゃないのかと思いたくなってくる。
だけど、歴史の教科書、ニュースではきちんと効果が出てると発表されてる。
そうなると何もいえない。
悪いのは悪いことをしてきた人たちがいるからで、他のルールも同じ。
ICチップに、眼球スキャン、あらゆるデータがコンピュータに登録され管理されてる。犯罪を防ぐために事前に情報を得る。
何気ないアンケート情報からの心理状態の確認。うつ病、サイコパス検査と様々なデータを統計して調べる。
そうして危ないと判断された人は病院に一時的に保護され検査される。
そういうものの繰り返しでこの世界は情報というもので制御されはじめた。
ちなみに浮気をした後で唇を奥さんや旦那さんと交わしデータを送信するとバレるらしい。原理はよくわからない。ICチップが調べてるのかそれ以外の何かがボクらの中に入ってるのか……誰も答えられない。
現実がそうなってるから、もうそういうものだと誰もが割り切ってる。
「はぁ、可愛いやつに男がいるとロマンもクソもないよな」
「そうだね」
ボクが見つめたカップルの長いキスを友人は愚痴る。
「彼氏、彼女ありがわかるから、芸能人もまぁ個人情報保護で守られてはいるが、相手がいるってことはデータとして公表されてるからなぁ」
夢がないとうつむく友人。
「仕方ないね」
そうとしか、ボクには答えられなかった。
世界がそうなってしまってるのだから、どうしようもない。
犯罪管理体制 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます