バスケみてたら集中できなかった。

バブみ道日丿宮組

お題:情熱的な足 制限時間:15分

バスケみてたら集中できなかった。

 巨人という存在が実在すると言われてはいるが、それが本当なのかはわからない。

 だが、

「……足だよな」

 住宅街にたくさん棒状体のものが突き刺さってる。

「しかも女」

 通学路を幼馴染と歩くと見えるのは天から落ちてくるとしかいいようのない足のような物体。

『巨人の足』と研究者たちは名付けてる。

「男子たちはエロいっていうけど、そうかな? 情熱的で大人の足みたいだけど、サンプルはとれないし宇宙からも地球から伸びてるはずの足は見えない。なら、足じゃない」

「なるほどな」

 確かに色々な本を漁って読んでみたけど、どれも同じことが書かれて真実味もない。異次元から伸びてきたとも言われるが人類史から描かれてきたらしい。

「足はもっとスマートだよ」

 そういって幼馴染は自分の足元を指差す。

「さすがにそうやってスカート捲るのはセクハラになるからやめてくれ」

 ちらっと見えてはいけないものがみえた気がするが、確かに巨人の足と、人間の足は違う。なんていうのか肉体的というか、生物的な熱を感じない。

 それはたぶん幼馴染を意識してるからもあるだろうが、巨人の姿がみえたそうなるのだろうか?

「セクハラは相手が気にしてなきゃ問題ないでしょ。付き合って何年になってると思ってるの?」

「10年か」

「12年と半年だよ、しっかりしてよ。これからもずっと一緒にいたいんだから」

 そういって幼馴染は手を握り、通学路を引っ張ってく。

 巨人の足がまるで、神社のアーチと錯覚させるような不思議な道を僕らは毎日通い続ける。その謎がいつかとけるのかそう考えながら。

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バスケみてたら集中できなかった。 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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