改変による訪れ
バブみ道日丿宮組
お題:君の新卒 制限時間:15分
改変による訪れ
「新しい新人が入ったんだって」
昼休み同僚とご飯を食べてると、ふいに笑みをこぼされた。
「紹介はできないぞ。部所違うしそれに君のところの新人なんて元アイドルだろ。 ちゃんとできてるのか?」
その言葉を聞いて同僚は一瞬だけ表情を曇らせたが、
「接客業だけは元ってだけはあって強いね。一応俺の補助としてくっついてもらってるが……」
与えられたノルマはできないと小声でつぶやいた。一応デリケートな問題だからだろう。まぁこの店に他の客なんていないからそれこそ問題はないし気分の問題か?
「まぁ新卒なんてそういうもんだろ。ただオレたちの上司みたいに潰す役割はしてらんないからな」
「あぁ追い出したんだから、同じことしちゃ笑われちまうし逆に訴えられるかもな」
それがもう半年前というのだから時間が経つのもはやい。傾きしにかけた会社を上場させて、内部変換。悪意のあるものは社長を長時間の説得という籠絡で半分操ってるものだ。向こうとしては変わって欲しいと言ってるがオレにはその気はない。
やりたいことは経営なんかじゃない。次の世代をきちんと育て、他の会社にいっても誇れる社員にすること。ただそれだけだ。
ご飯を食べ終えると、いつもいってる公園でコーヒー缶片手に空を二人で見上げた。
「オレたちちゃんとやれてるんだろうか?」
「さぁ成果はだしてるし、会社もブラックにはなってない。お前がきちんと社長たちを押さえ込んでくれてるからな」
ふふんと自分のように鼻を鳴らした同僚は他人事のようにいうが、
「みんなの協力があったからこそだ。死者こそは出さなかったがデスワークを超えたヘルワークだったからな。あれを乗り越えて訴えに訴えて、賠償金まで払わせて二度とこちらに顔を出せないようにしたんだ」
冷たいコーヒーが喉を潤す。
「恨まれてるかもしれないから注意しろよ」
同僚はそれでもいいという雰囲気で肩を叩いてきた。
「今年は新卒が結構きてくれたからなぁ。まぁそこは元アイドル目当てってこともあるんだろうけど」
「そういやその元アイドルはなんでうちにきたんだ? 人事に携わってオレが言える立場じゃないけどさ」
送られてきた履歴書の中で異色を放ってたのまさにその元アイドルだった。しかしながら、資格はきちんととってるし、証明書も見せてもらった。
だが、なぜかできないというのが同僚の見聞。
「さぁ、そこまでは仲良くはなってないからさ。お前の方が新卒と仲がいいって噂だぞ」
馬鹿言うなよとオレは先に会社へと足を向けた。
改変による訪れ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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