異世界と現実世界の違い
バブみ道日丿宮組
お題:緑の国 制限時間:15分
異世界と現実世界の違い
あぁなんて世界に転移してきたんだろうかと自分の不幸を呪いたくなる。
都市伝説で異世界に旅立つーーそんなのデタラメとばかり思ってたのがいけなかったとでもいうかな。実際に人がいなくなってたのは事実だし、都市伝説の効力はあった。
世界はそのことを認めようとしてなかった。禁止しようともしなかった。根拠がないから、いや禁止するとかえって人がやりたがるからってのがほんとうのところかな。
でも……元いた世界のが悪かったかな。
空気は悪かったし、社会は腐ってて、教育も政治も何もかもが人が壊しきろうとしてた。だからいなくなっても探そうとすら警察はしないし、親友だちも感情を出さない。
いなくなって生成したとでも思ってるぐらい。
「でもなぁ」
「なーに、不満なの?」
耳をピクピクと動かすのは、俺を拾ってくれたこの世界での相棒。
「うちに獣属性はないんでね」
「決定は決定でしょ?」
そういって相棒は左手の薬指の指輪を見せてくる。この文化はこの世界にもあるようでっていうか、先に数十年前にきた人が広めたらしい。
発見した住人の嫁、婿とすること。当然年齢とか、性別が違う場合は保護して村に連れてくとかって話だけど……俺はまぁ都市伝説を行って開いた先が、ちょうど相棒となるお風呂現場だったわけだ。
色んな意味で責任をとるしかなくなった。本当に運がなかったとしか思えない。
「何人の顔みて残念そうにしてるのよ、みどりの里の一番の美少女よ」
「まぁな」
年齢は13歳。身体はこの世界では発育がいいのか、ロリ体型なのに巨乳というありえないもの。ただ、性格がこれまた元いた世界のギャルっぽいってのがね。
「いい加減慣れたでしょ?」
「うん、愚痴とかもなれたし扱いもなれたよ」
「ならいいじゃない。あたしは本当は嫌だったのよ」
相棒は口が悪い。はじめての体験をしてもこんな態度。
でも、顔を真っ赤にして手をもじもじしてくるのだから、可愛い相棒なのかもしれない。
「しかし、空気がよくていいものだね」
「あんたがいた世界の科学ってのがいけないのよ」
もじもじしてた手をにぎると相棒は安心した表情を浮かべた。
買い物に行くくらいでいつもこんなだから、初々しくて俺にはもったいないな。うーん、高校生になる前で結婚というのは不思議な感覚だけど……。
「そうだな。元いた世界の人がいるってわりに緑に溢れて科学の代わりの力が凄い」
建築学というのだろうか、科学に近いけど自然を破壊しない。
そのため、お店、学校、病院、至るところに緑がある。自然の中で暮らしてる。
「でしょでしょ、大いなる大地のめぐみなんだから、大事にしてよね。も、もちろん、あたしもね!」
「はいはい」
家の外に出ると、緑の優しい匂いがした。
異世界と現実世界の違い バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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