7 『刀剣の花は百花繚乱と咲き荒ぶ』

 クコが身体を起こして目を輝かせた。


「ルカさん!」


 二人の視線の先には、たから瑠香るかの姿があった。サツキが最初に見かけたときと同じく、赤い和傘を差して、紫色の着物を着ている。赤いかんざしの珠がきらりと反射して光った。


「どうして……」


 疑問を浮かべるサツキに、ルカが説明する。


「街道から外れた道をのぼって、あの崖まで行ったんでしょう? ちょうど、あなたたちが落下するのが見えたから、魔法を使ったのよ」

「はっ! ルカさんの魔法、《おせ》ですね」

「ええ。私自身が所有する物で、かつ場所を把握している物に限り、私がどこにいても取り寄せられる魔法。人や物と重複する空間でなければ、どこへでも出現させられる。それによって、あなたたちが落下する地点に合わせて布を広げておいたの」


 ルカの説明中、その《お取り寄せ》の魔法によってであろう、サツキとクコの下にあった風呂敷と着物が地面に沈むように消えていった。

 なるほど、とサツキはルカの魔法について納得した。

 そういう仕組みで布が現れ、自分たちは助かったものらしい。


「ありがとうございます。ルカさん」

「ありがとう。本当に助かったよ」


 なぜ、ルカがここにいるのか。それを聞くより先に、サツキとクコは緊張が緩んで、背中を合わせて座り込んだ。

 呼吸を整える。

 優しい木漏れ日がキラキラと降り注ぎ、疲れた身体を癒やしてくれるようだった。

 爽やかな風が吹き抜ける。


「いい風です」

「だな」


 小鳥のさえずりが鼓膜を揺らす。

 しかし、そんな穏やかな時は一瞬で終わる。

 カサッと音が鳴り、サツキはそちらへ視線を向けた。


「今度は、熊……」


 木の陰から、熊が現れた。


 ――いや、本当に熊なのか……?


 高さ二メートルはあろうか。四つ足立ちでそれだから、体長は三メートル以上はありそうだった。サツキの知っている熊とは、少しだけ異なる。世界が違うのだから、別種がいても当然だが、尻尾の部分が長く、ひしゃくのようになっている。アンキロサウルスの尻尾に似ていると言えばわかりやすいだろうか。夕日に反射して光っている。


「二人共、気をつけて。この熊はぐまといって、凶暴で闘い好き。人も襲う。いわゆる魔獣ね。鋭い爪と牙の他、一メートル以上もある尻尾を振り回して闘うわ」


 サツキとクコはもう立ち上がって、戦う準備ができていた。


「ルカさん、ここはわたしとサツキ様が戦います。サツキ様、リーチもある相手ですので、ここは刀を抜いてください」

「わかった。了解」


 サツキは抜刀する。

 ルカは静かに眺める。

 クコは剣を構えて言った。


「練習の成果を出しましょう」

「うむ」


 特殊な尻尾の大熊の魔獣――ぐまは、その尻尾を振り回して、爪も使って攻撃してくる。

 サツキとクコは、二人でのこうした実戦はバスターク戦をのぞけば初めてだった。にもかかわらず、どうしてだかうまく連携が取れた。出会ってからの日数はまだ短いが、常にそばにいた。それが、相手の呼吸を読むのに一役買ってくれていたのかもしれない。

 ぐまはサツキとクコの剣舞に、賢くも反応して暴れた。しかし、数太刀、切り傷を与えた。そのおかげでぐまは逃げてくれた。野性の本能で勝てないと悟り、自らの命を守るために逃走したのだろう。


「……ふう」

「逃げてくれました」


 イシイノコから逃げ回ったあとの急な戦いに疲労が重なって、サツキとクコはまた地面に座った。


「お疲れさまでした。サツキ様、すごくいい動きでしたよ」


 クコはサツキを労い、褒める。が、サツキの頬に傷を見つける。それほど深くないが、引っかき傷だ。血が出ている。


「サツキ様、血っ。ど、どうしましょう……!」


 普段から肝が座って落ち着いているクコだが、サツキのことになると慌ててしまう。もしもこの大切な人になにかあったらと思うと、平静を保てない。


「まっ、まずは応急処置をっ……」

「そう。応急処置が大事よ」


 ルカは傘を畳み、《お取り寄せ》の魔法でどこかへ消して、巾着袋からばんそうこうを取り出す。それをサツキに手渡した。


「ありがとう」

「……ん。平気みたいね」


 その姿勢のままサツキの傷口を観察し、ルカはうなずく。

 と。

 そのとき――茂みから、狼が姿を見せた。見回すと、三人を囲う狼たちのその数は、十数匹にものぼる。


 ――ここは元々、それほど魔獣も多くない街道なのに……。あ! もしかして、サツキ様の血の匂いにひかれて……!


 クコはこの魔獣に取り囲まれた理由を察した。サツキの傷口の処置の前に、どうしても狼たちを相手にしなければならないようだ。

 狼の群れは三人の周りを、ゆっくりと歩く。


「魔獣アカメオオカミです……。サツキ様の血のにおいにひかれたのだと思います。さっきのぐまと比べても魔物の性質が強く、血のにおいをさせると遠くからでも人を襲いにきます」


 この狼たちも、サイズが大きかった。サツキの知る狼よりも二回りは大きく、体毛は白い。だが、目は青い。


「アカメオオカミ……?」


 目は青いではないか、というサツキの疑問の意味を察して、クコは答える。


「集団によるハントが得意で、それにより全身が血にまみれるのです。体毛についた真っ赤な血が目に見えることから、そう呼ばれています。でも、こんなときに……!」


 凶暴な魔獣ほど森の深い所に住む個体が多く、人間と遭遇することはそうそう無い。クコも実際に見たのは初めてだった。

 これほど多くの魔獣に囲まれた経験のないクコは、恐怖と不安で足がすくみそうになる。

 それでも、迎え撃つためサツキとクコは腰を浮かしかける。

 しかしそれを、ルカに手で抑えられる。


「大丈夫。二人は休んでなさい。今度は私がやるわ」


 ルカは左の手ひらを広げ前方に突き出した。

 瞬間――アカメオオカミたちが、一斉に飛びかかってきた。


「《とうざんけんじゅ》」


 それは、地獄にあるとされる刀の山と剣の林。ルカの魔法の技名である。

 すると、にわかに、刀の山が地面から生え、剣の林が咲く。

 まるで刀剣の花が百花繚乱と咲きすさぶようだった。

 飛びかかってきた狼の群れは、手足を怪我する者が数匹、刀剣に阻まれて「くぅん……」と動きを止めた者が数匹。

 圧倒的な力量差に、獣の本能が通達する。逃げろ、と。アカメオオカミたちは、怪我した数匹が足を引きずりながらも、一匹残らず撤退していった。

 無数の刀剣は幻だったかのように、地面へ戻り消えてゆく。

 辺りには木立のそよぐ音だけが残った。


「もう平気よ」


 そう言われても、サツキには今の魔法が気になって仕方なかった。


「今の魔法は……」

「私の魔法は、一つ目が《お取り寄せ》。空間をつなぐ力。別空間にある、所有権を持つ物の取り寄せができる。それらをコントロールするため、二つ目の魔法がある。それが《ねんそう》」


 つまり、人や物と重複する空間に《お取り寄せ》できないから、地面から顔を出す程度に取り寄せたものを、《ねんそう》によって突き出させ、敵に攻撃する。そういう技だった。


「コントロールは少し苦手。精度は低いわ。お父さんの魔法みたいにはいかない。だから、あんな大雑把な技にしたというのもあるわね」

「……」


 そんなこともできるのか、とサツキは驚く。


 ――二つの魔法。それらを合わせた技。まぎれもなく、あの両親の魔法の才能を引き継いでいるじゃないか。それに、強い。クコが強いと言うわけだ。


 ルカは魔法の師匠がいると言っていたが、もしかしたらその師匠がいい指導者だったんじゃないか、とも思う。


「サツキ、じっとしてて」


 ルカは終始冷静だった。綺麗な巾着袋から小さな容器を取り出した。容器には水が入っていて、その水でサツキの頬の傷口を洗い流す。また、巾着袋から消毒液を取り出し、頬に塗ってガーゼで止血。その具合を見て、


「サツキ。ばんそうこう


 と言われ、サツキはルカにばんそうこうを渡す。


「……」

「はい。いいわ」


 絆創膏が貼られ、処置は完了した。


「いい匂いがする」

「これは、私の父が創り出した魔法道具、《ばんそうこう》。読みは同じだけど、『膏』の字が『香り』になってるわ。芳香がついた絆創膏で、この香りが傷を早く癒やすの。たくさんは持ってないから、あんまり怪我しないでね」

「う、うむ」


 素直に、こくりとサツキはうなずく。

 クコは胸を押さえて、深く安堵の息をついた。


 ――もう、ダメかと思いました……。それにしても、ルカさんがここまで強くなっていたなんて、驚きました。


 流麗なルカの応急処置に呆然と見とれていたサツキだったが、我に返って尋ねる。


「そうだ。ルカ。どうしてここに?」

「そうです。聞きそびれてしまっていました!」

「悩んだけど、サツキとクコと、旅をしたいと思った」


 そう答えながら、心では別のことも想っている。


 ――サツキ。本当はね、あなたがあんまり必死だから、気になったのよ? 修業も必死だった。私に話をするときも、必死で真面目で。どうしてあなたはそこまで必死に生きているんだろうって、そのひたむきな瞳に引き込まれてた。離れても、あなたの強い瞳が頭から離れなかった。


 だから、ここまで来た。

 今も、サツキはその必死さを瞳に宿しているようにルカには思えた。

 あえてそれ以外の理由を探して言葉にするなら。


「私は、サツキの話を聞いて、頑張る気持ちになった。あなたの旅についてゆけば、なにか変われるんじゃないか、とも思った。でも、今度はただ周りに期待するんじゃない。自分から動いてゆく。サツキ、言ったわよね。周りを見る意識を変えれば世界が変わる、と。その意味を知るためでもある。そして、だれかに必要とされる人間になりたいの」


 サツキは微笑した。


「うむ。そうか。でも、ルカ。もうなっていると思う、だれかに必要とされる人間に」

「え?」

「俺とクコが、ルカを必要としてる」


 そんな冗談じみた言葉に、ルカも小さく笑った。


「そう」

「うむ。そうだ」


 ルカはクコにも顔を向けて、


「クコ」

「はい」

「あなたのお父さんを、私が診てあげるわ。必要なら治療もする。ちゃんと治療もできる医者になりたい。旅の中で、成長したい。リラのことも気になるしね」


 冷静に、しかしハッキリとそう述べるルカの言葉を聞いて、サツキは言った。


「医者もそうだけど、研究だって何才からでもできる。まずは、ルカが目指す医者になれるよう、応援してる」

「うん」


 と、ルカは小さく微笑みうなずく。奥ゆかしい笑み。それは、サツキが初めて見たルカのやる気に満ちたような、感情が表に出た笑顔だった。



 実は、サツキとクコが出発したあと、悩んだ末に帰りの馬車の中で答えを出したルカは、両親に自分の決意を話した。


「私は今まで、お父さんとお母さんに憧れていた。ただ手伝いができればいいと思っていた。でも、サツキと話してみて、初めて自分の可能性を考えてみたの」

「行くんだな」


 と父に言われ、ルカはしかとあごを引いた。


「医者になる。そのつもり。だけど……」

「なんだい?」


 父の瞳を見返し、ルカは答える。


「私は私を見つけたいの。ただ、私を知って、私を探したい」


 それを聞いて、父はうれしそうに微笑んだ。


「やっぱりルカは私の子だ」

「ええ、そうね。あなたが自分を探しに旅に出て、医者になる道を見つけたときみたい」


 と、母は笑った。

 二十五歳になって医者を志した父と、今の自分が重なるのだろうか。ルカは少しだけ、期待に胸がふくらんだのを感じた。


「ルカ。探し物は、どこにあるのかわからないものだ。その辺に転がっているかもしれないし、自分の中に隠れているかもしれない。だれかの中にこっそり潜んでいて、ふとしたときに見つけられるかもしれない。そして、医者を目指しながらも、手にできるものかもしれない。焦らずゆっくり探しなさい」

「ルカ、お母さんもお父さんも応援してるからね。この場所から。……そうだ」


 母は紙になにかを書いて、例の桐箱に紙とお金を入れて引き出しを開けた。

 取り出したのは、巾着袋だった。


「綺麗……」

「お父さんとお母さんからのせんべつよ」


 餞別とは、旅立つ人へ贈る品のことである。そんな風習はこの世界でもあった。


「ありがとう」

「あなたはきっと大丈夫。いってらっしゃい」


 母から声援をもらうと、父が唐突に言った。


「良医、まず世を治す」

「え?」


 ルカが言葉の意味をつかみかねると、


「良い医者というものは、病人よりも先に、まず乱れた世の中の治療をしてやれる。そういう意味だ」


 と、父は説明してくれた。


「ボクが医者になろうと思ったのは、ボクでもだれかの力になれるってことを、この目で見たかったからなんだ」


 父なりの不器用な激励だった。


 ――ルカは不器用だけど、その分まっすぐで一途で、がんばり屋だ。そんなルカなら……いや、そんなルカだから、ボクよりもたくさんのだれかのために、がんばれる。お父さんはそう思ってるよ。あの二人は、今も踏み出すルカを待ち続けているはずだ。気をつけて、いってらっしゃい。


 こくりとルカはうなずいた。


「わかったわ」


 ――あの二人と世の中の治療をすることが、私を良い医者にしてくれるのね。


 そう信じて、サツキとクコに遅れることしばし、ルカは自分の意志で旅立った。


 ――私の知らなかった昔のお父さんみたいに、私も私に会いに行く。


 自分を探す旅でもある。だが、なにより医者を目指してあの二人と世の中を治療するのが、自分の使命だとも思った。医者の轍を走りながら見られる景色はなんだろうか。

 始まった旅は高く脈打つ。


「いつかは、本当の自分に会えるよね」


 ルカは、サツキとクコを追いかけた。



 魔獣アカメオオカミたちが去って静かになった森の中――。

 クコは立ち上がってお辞儀した。


「ルカさん、ありがとうございます。よろしくお願いいたしますね」


 サツキも立ち上がろうとすると、ルカから手が差し伸べられた。サツキはその手を見つめて、


「ルカ。俺のいた世界には、こんな言葉がある。『上医は国をいやす』。すぐれた医者は、戦乱や弊風などの国のしっぺいをなおすもので、個人の病気をなおすのはその次であるという意味だ」

「人間が導き出すことは、世界が違っても同じなのね」


 サツキはその手を握った。


「そうかもしれない」


 小さく微笑し、ルカはサツキの手を引く。


「やっぱり、良い医者になるために、私にはあなたたちとの旅が必要みたいだわ。よろしくね、サツキ」

「うむ。よろしく。ルカ」


 ルカに手を引かれて立ち上がり、サツキは微笑んだ。

 その顔を見て、ルカは思う。


 ――この子は、突然私の前に現れて、私の環境をがらりと変えてしまった。怯えていた昨日の向こう側へ、引っ張ってくれた。あなたはきっと、私を変えてくれる人。そう思えるの。初めて、私を必要としてくれて、応援してくれた人だから。


 目の前の少年に、ルカは初めての感情を覚える。なんだか胸が熱い。


 ――私はこの子といっしょにいたい。この子とこの先、共に歩んでいきたい。探し物の地図などないけれど、この子となら、なにか見つけられる気がするの。あら……? これって、もしかして……。


 顔を赤くして、首を横に振る。


 ――きっと考え過ぎだわ。この私が、こ、恋……なんて……。それも私よりこんなに小さな子に……。


 クコがぽやっとした顔でそんなルカを見て尋ねる。


「ルカさん、顔が赤いです。どうかされたんですか? もしかして、お風邪を召されたのですか?」

「なんでもないわよ」


 つんと顔を背けて、それから口元を緩める。


 ――でも、サツキ。私、あなたのために頑張るわ。お父さんも言ってた。良い医者は、まず国を治療するって。あなたも言ったわね。上医は国をいやすと。


 だからルカは、医者になるより先に、まずはこの二人と国を治そうと思った。アルブレア王国という国を。

 その先に、ルカが望むものが待っている気がしたから。

 ふと、ルカは木に目をやった。


「桜杉が見えるわね」

「桜の木と杉の木が一体になっていますね」


 クコが言ったように、二つの木が一つになっている。


いちふみむらが近い証拠よ。このあたりでは遥か昔、杉の木に山桜が芽吹き、突然変異体として桜杉が生まれたというわ。その後、何千年と時間をかけて、少しずつ、ほんの少しずつその数を増やし、今では何本も見ることができるの」

「めずらしいです」

「異種との共存共栄は、共に過ごす人との相互補完や平和を意味するし、この新戦国時代、天下統一を目指す武将の中には、二つが一つになった桜杉を天下を一つにまとめる様に重ね合わせ、これにあやかるために来る者もいると聞くわ。私は、あなたたち二人と互いに補完し助け合える仲間になりたいと思う」

「俺もだよ。それに、アルブレア王国を一つにまとめて――」

「平和な国にしないといけません! よね?」


 笑顔を咲かせるクコに、サツキとルカがうなずく。

 ルカは微笑するが、照れを隠すように歩き出した。


「さあ。行くわよ」

「うむ」

「はい」


 サツキとクコが答え、三人は木漏れ日も赤く染まった長い杉並木を進でゆく。



 医者の娘、ルカ。

 使える魔法は、《おせ》と《ねんそう》。

 両親の魔法の要素をそれぞれいただいたような魔法だ。

 別空間から物を取り出せるという《お取り寄せ》。自分が把握している場所と物なら、出し入れは自由。念じると思ったままに物体を操作できる《思念操作》。まだ複雑な動きはさせられないが、所有権を持つ物ならば操作可能。無数の刀剣による一斉攻撃《とうざんけんじゅ》が得意技である。強力な魔法の使い手だった。そして、医術の知識を持つ。頼れる仲間ができた。

 サツキがこの世界に来て、六日目のことであった。

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