第27話 失敗

 あれから数日が経った。


 俺は学園の昼食の時に逃げ出して、野原に来ていた。


「……そういうことで失敗したと」


「はい」


 俺はプトと話していた。寝ころびたいところだが真面目に話すので座って話していく。

学校のダンジョンに入れたもののとある人物に止められてしまったのだ。


「夜ではあのダンジョンが亡霊のダンジョンになっていたんだね」


「ああ、そうだ、そして『まだ早い』って言われた」


「あの子、『力の付与』を受けてなくても能力がありそうだったね」


「そうだな、確か未来視だったはず、本人言ってた」


 そう俺はあの時ダンジョンでマナジャに会ったのだ。学校のダンジョンはどうやら夜になると亡霊が集まるみたいだ。このことは学校側は知っていたのだ。これは俺の予想でしかないがスティモフは俺が亡霊と会ってビビッて帰ってくると思っていたかもしれない。

 実際、こうして帰ってきたので学校の読み通りということになる。でも嫌な感じはしなかった。学校側は俺がダンジョン入ったことをおおやけにしなかったから。そこから俺は過去に何度かあった、そう考えている。


 マナジャはもしかすると未来を見たから俺の逃亡を止めてきたのだろう。ならば素直にやめるべきだ。

まだ早い、そう言われているのでいつかはいい、そう捉えることはできる。


「本当?」


「ああ」


 プトは少し不思議に思いながらも確認してくる。当たり前だ。未来視があるのになぜ自分の死を避けなかったのかわからない。俺もプトと同じように思った。


「聞いてみたら『詰んでいたから』そう言っていた」


「なるほどね...」


 プトは普段と違って真剣に考えこんでいる。こうなったプトは何も聞かなくなるため俺は寝ころんだ。

 太陽はまぶしい。でも雲が太陽を隠してくる。

 俺にとっては普段からある本当に大切なものが失ったかのようなむなしい気持ちになる。どうして俺はこんなにも太陽を見ると感受性が高まるかわからないままプトが考え終わるまで待っていた。




 

 

「すいません」


 俺はブレンに謝っていた。野原にいたことは伝えてないが察しがよくブレンは薄々俺の行動に気付いていた。


「まったく、遅刻ですか」


 そう俺はプトが考える終わるころには授業始まりのチャイムが鳴っていたのだ!ということで無事遅刻しました。教室に入った時のクラスメートが一斉に見るからさすがに教室に緊張した。


「心配しましたよ」


 うっ。

俺はそのことを直接伝えられてうろたえる。今まで心配されたことがなかったから慣れていないのだ。

 明らかにうろたえている俺を見て、ブレンとメリッサは微笑んでいた。

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