第23話 破壊少女は破壊を行う。
スティモフが帰ってきた後、ぞろぞろと波のようにクラスメートが来る。
皆、一様にザワザワしている。
「帰るぞ」
スティモフはそう言い、生徒を引導してダンジョンから出ていく。スティモフはキングウルフが出たという異常はわかりつつもなぜ出たのかわからなかった。
もしキングウルフを何らかの計画で使われるなら、すでに何十頭出てきてもおかしくない。しかしそんなことはなかった。ならば管理が甘くなっていたという可能性があるが、管理は毎日、教員内で二人組で行っている。昨日の担当は俺もしていた、だから...わからない!
「教室に戻って待っとけ」
ダンジョンから出るとスティモフはそう言い、急いでどこかに向かっていった。
「ゼブ、私たちも教室に戻りましょう」
「ああ、そうだな」
「メリッサも」
「あ、はい」
三人は廊下に入ったが、他には誰もいない。他のクラスメートはダンジョンの前でがやがやとしている。ゼブは考えてゆえに油断をしていた。
ドンッ
メリッサが軽くゼブにぶつかる。
「大丈夫か?」
ゼブは考えることをいったん止めて、メリッサに話しかける。
「すいません、大丈夫です」
メリッサはそう言い、笑顔になった。幸運にもブレンはメリッサの方を向いていなかったから笑顔に気づかなかった。
しかしゼブは気付いた。
そういうことか!チッ
ゼブは心の中で舌打ちをして考える。メリッサは確定の黒で、ブレンも婚約内容次第では黒になるだろう。つまり敵が二人いるのだ。なので自然とゼブの逃げ道はなくなったいた。
だからあのクソ野郎は許可したのか!やけにすんなりいったなっと思ったらこれだよ。
「すまん、お手洗いに行ってくる、先に戻っておいて」
「はい」
俺はダッシュでトイレではなく、外に出る。そう学園のから出る。このままではバレてしまっては困る。
ゼブはそのまま走り続け城下町にたどり着いた瞬間、ゼブは破壊された。
「これにて、完了」
「メリッサ、どうしたの?」
「あ、いえ、なんでもありません」
破壊の少女は確かにゼブを破壊した感触を手にしていた。
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