第21話 脅威だと幻覚している。
二階層もなんなく、ブレンのチート無双を見ていた。しかし3階層に降りる階段の近くに差し掛かった時、最後尾の俺は背後から小さな足音がした。
俺は急いで振り返り魔物を見る。するとそれはキングウルフだった。キングウルフから明かに危ない黒い瘴気が漏れ出している。異変種かよ!
そう判断した瞬間に、キングウルフは襲ってくる。
「クソッ...」
ブレンからそんな悔しがった声が聞こえる。仕方ないだろう。通常のキングウルフは一頭で防衛重視の都市ですら落としかけるほどの脅威はある。だけど普段は温厚で群れで生きている。その時点で俺たちでは倒せないと幻覚した方がいい。
異変種は通常の魔物よりも何倍にも強くなっているのだ。たださえ強いのにさらに強くなっているのだ。まぁ、ブレンなら倒せると思うが。
俺に噛みつこうとしてきたので飛行魔法を使って、地面ぎりぎりの超低空飛行をする。そのままブレンの右手の方まで飛行する。
キングウルフは空虚を噛んでいた。俺はギリギリに避けれた。でもよくよく考えればこんな低空飛行をして風魔法ではないとバレそうな気がする。でもバレてもブレンとメリッサしかここにいないし、メリッサにはたまたまだと話せばいいだろう。こんなところに第四皇子がいるとは誰も思わないだろう。
「降りちゃいません?」
ブレンはそう提案してくる。確かにその通り。俺からしても賛成だ。でもこのキングウルフは俺を殺すためにどこかの兄が仕掛けてきたのだろう。さすがに知りもしないクラスメートが死ぬことは少し罪悪感がある。しかしそれが狙いの可能性がある。
俺がキングウルフと戦うことを強制されることだ。でも前提として俺が来るタイミングがわからないといけない。今回は先頭だったから...もしかして最初から仕組まれていた!?ブレンが先頭になることで俺も同じ班だから必然と先頭になる。ただその可能性が低い。ブレンが知っているのならそんな提案はしないはずだ。
俺が取れる行動はここで戦闘することかスティモフの元まで逃げること。どっちにするべきだ?
「クリス、少し散歩に行ってくる」
「行ってらっしゃいませ、ユーロント様」
「ああ」
ユーロントは屋敷からどんどん離れていく。今回は非公式なので貴族みたいな恰好
をせずに外を出た。
学園にも協力してもらい、破壊してもらうように依頼をした。これで愚弟がさっさと死ねばいいのに。
ユーロントは都市の中を散策していた。
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