第20話 血濡れの令嬢

 あの日から数日が過ぎた。

 学園の生活リズムにも慣れてきた。


「今日はダンジョンに潜る。先に3階層で待っているから早く来いよ」


 スティモフはそう言い放ち、ダンジョンの奥に入っていく。


「では、さっそく行きましょうか」


「そうですね、ブレンさん」


「ああ」


 今回、ダンジョンを潜るときに二人では危険だと判断され、三人で行動しないといけなくなった。なのであと一人を探すことになったのだが、志願するのは男子が多かったがブレンが選別していった結果、メリッサという子が選ばれた。この前にぶつかってきた子だった。ブレンといい、メリッサといい、誰かにぶつかっているのはなぜ?そんな疑問を抱きつつも、ダンジョンへ入っていく。


 ここのダンジョンは学園内にあるので管理されており、イレギュラーな存在が出ることはない。この前、俺が見つけたダンジョンは管理されていない。だからオークが本当にあの階層に合っている魔物なのかはわからない。


 俺は悠長にしていた。ダンジョンに入ったがすることがないからだ。メリッサも俺と同じようにすることがなくただ、ブレンのチート無双を見ていた。

 死の公爵の令嬢は伊達じゃないな。もしブレンと戦闘することになったら奇襲しないとほぼ勝ち目はない。先祖返りの能力はもちろん強いが効果を知られてしまうとブレンの血液魔法で対策が取られてしまう。血液魔法の汎用性が高いんだよな...。


「こんなものですね」


 ブレンは返り血を浴びたまま、静観している俺たちの方に少し喜びながら来る。怖いです。メリッサも俺と同じことを持っており、思い切り顔に出ている。


「では、二階層に行きましょう」


 どうせ、返り血を浴びるなら終わってからに一度にした方がいいと思っているはずなので、このままスティモフのところまで行くのか。これスティモフはどんな反応を示すのかな?そんな好奇心を持ちながら、うきうきのブレンを先頭に2階層に降りていく。

 遠くからクラスの男子が見ているようだがブレンの姿を見て、驚いているようだ。

ただ俺はその姿を見て、もし自分が戦闘したら怖いという感情と新しい一面を知れてブレンのことがより一層、魅力的に感じてきてしまっていた。


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