第19話 珍しいな
入ると、前と変わらず木のぬくもりを感じれる。奥の方でプトは用意をしているようだ。丸いテーブルを囲むように置かれた木の椅子にブレンと俺は座る。
「ずいぶん親しそうですね?」
座るとブレンは笑顔をするが、完全に俺のことを問い詰めようとしていることがわかった。えー...。ほんとのことを言うべきだな。
「昔からの知り合いだからな、野原に行くとよく話すからな」
「いつ頃から?」
即答で帰ってくる。どうした?恋愛のことはいらないだろう?だって無意味な婚約なのだから。それなのに俺の人間?関係を気にしていることに疑問に思う。
「初めて野原に行ったとき、んでもそんなことを気にする必要はあるのか?」
そう言うとブレンは少しそわそわしている。
「と、特に、しいて言えば好奇心ですかね」
「そうか」
今、プトの準備が終わるまで考えておこう。まず自分のこと。婚約と戦争か。婚約についてはまだ決断するべきじゃないな。最悪、ブレンを倒すことになってもいいように覚悟はすでにしている。
戦争か。今回の内乱でもあり発展途上国なのであまり他国とのつながりは薄い。しかし戦争はいつでも起こる可能性がある。それはこの国、ヘイト帝国の予算案を見た時に気付いたことだ。軍事費の割合がかなり多い。まるで戦争が起こることを予測しているかのように。少し前は軍事費の割合はその他に入るほど割合が低かった。つまり何か前と比べると異変が起きていることを表している。他国も同じようになんらかに警戒している可能性がある。
「できたよ~」
プトが料理を持ってくる。見ただけでわかる美味しいに決まっている。
俺はプトがすべても料理を持ってくるまで待つ。俺は手伝いたいがプトは人をキッチンに入らせないようにしている。理由は知ってるけど。
ふとして横を向くと、目をキラキラと光らせ、今にすぐに食べようとしているブレンがいた。珍しいな。
「ブレン?」
「はっ、すみません」
「気にしないで、さぁ、食べましょう」
どうやらすべて運んだようだ。テーブルの上にはたくさんの料理が並んでいた。
プトがそう言った瞬間、ブレンは食べ始めた。
俺とプトはブレンの様子に驚きつつも、食べていく。やっぱしおいしい。
...ちゃんと理解している。こうしてプトと一緒に食べることが最後なる可能性があることぐらい。
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