第17話 ゼブを破壊せよ
「気持ちいいですね」
「そうだろ、というかブレンも寝るのか?」
「もちろん」
テストが終わり次第、すぐに野原に来て昼寝をしようとしているのだが寝そべっている横にはブレンがいた。
そよ風が時より吹いて気持ちいい。
「明日には結果がでますね」
「そうだな」
平和そうに見えていてもそれは見せかけなだけ。
実はこの野原には魔物がでているのだ。クリスやその他大勢は夜のみだと思っているが本当は時間なんて関係ない。
寝そべっている二人の後ろから何者かが移動している音が聞こえる。でもその音は人の足音ではない。
「ゼシャ、そちらの方は?」
女性の声がした。
ゼブは後ろを振り向くことをせずに答える。ブレンは気になりつつもゼブが後ろを見ていないからと後ろを見ていない。
「エンド・ブラッドレン公爵令嬢、俺の婚約者でもある」
「あのゼブに婚約者が...嘘ではないよね?」
「ほんとだよ」
「なら今は暇?」
「見て通りだ」
「お祝いしましょうか、来れます?」
「ああ」
ブレンはゼブと明らかに親しそうな会話を聞いてその言葉の主が誰か知りたくて起き上がって後ろを向く。
そこにいたのは
「え」
ブレンはその姿を見て唖然とした。
「君がメリッサか」
「はい」
ここは屋敷の中庭であり、そこにいたのは第二皇子とメリッサだった。
「依頼内容を早速言おう」
メリッサは今までに人殺しの依頼も受けたことがあるので、覚悟をしていた。
「ゼブという生徒を学園内で破壊してくれ」
「はい」
破壊はメリッサの能力だ、今までの殺しの依頼でも破壊をしろとは言われなかった。
「期間は卒業までだ、ゼブと一緒にいるブレンという子がいるが、その子もこっち側だから」
つまりブレンという子の前で破壊してもいいということだ。ブレン...どこかで...はっ!あの黒髪、赤目の子だ。ぶつかってしまった時に、横にいた少年がゼブってことか。
「当たり前だけど、破壊するときは関係のない人にバレないように、あと学園外での破壊は禁止だから」
「はい」
「質問はあるか?」
メリッサはわからなかった。なぜゼブという貴族ではない人なのか。そしてゼブと第二皇子の関係性がわからないのだ。他にも学園外ではなぜだめなのか。報酬は一体なになのか。メリッサは聞きたいことがいろいろとあるが、自然と答えていた。
「第四皇子を破壊しなくてもいいのですか?」
第二皇子の黒い噂はいろいろと聞いているとてっきり第四皇子だと思っていた。
「それはな、わが愚弟は学園に行っていないがそのゼブはわが愚弟となんらかの関係があるからだ、その関係は
第二皇子はとっさに言う。考える行為をしてしまうとゼブがゼシャラルブだとバレてしまう。
「なるほど」
「ユーロント様」
クリスが現れる。メリッサは驚いても第二皇子は当たり前かのようにしていた。
「なんだ?」
「緊急のお仕事が」
「なるほど、これで私は」
ユーロントは中庭から去っていった。本当は緊急の仕事なんてない。メリッサが一つ質問したらクリスが登場して第二皇子が去ることを事前に計画していたのだ。これをしておくとボロが出にくいのだ。長時間聞かれるのはボロが出る、ならそれをなくしたらいいのだ。
そのあと、クリスがメリッサと少し話していた。もしクリスに質問がきても『知らない』と言えば、第二皇子しか知らないことになるのだ。こうして依頼をした。
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