第11話 帰宅部はない!?

「ゼブ、よろしくね」


「ブレン、よろしく」


  今日は入学式。お互い平民になりきるために敬語をやめた。平民で入学するときから今までどのような生活をしてきたかなどの偽の設定を決めておいた。

 ブラッドレンさんはブレンという名前に決めた。


 そして俺はこの入学式までにとある噂を流してみて気付いたことがある。噂を流すことはとても難しい。特に偽の噂は噂に事件性やお話といった物語があってもそれは偽なので噂のコントロールするのが本当の噂よりもできなくなる。なので第二皇子やクリスに偽だとバレたので偽の噂を使って評価を下げることができなくなった。

 本当は婚約者に最低なことをしたみたいな噂を流そうと思ったんだけど...偽の設定を決めた後...


「私が授かった能力を言ってもいいですか?」


「なんでだ?言う必要性はないと思うが?」


「私はゼブの能力を知っているのに、ゼブは私の能力を知っていないなんて平等ではないですもの」


「そうか」


「そういうことで、私の能力は血液魔法です」


「え?」


「血液魔法です」


「え、はい」


 ということがあった。そのあと血液魔法について簡単に調べられた。死の公爵、現エンド公爵の『力の付与』の際が始めての新種の能力であり、効果は血液を自由に支配コントロールできる。つまり血が武器にも盾にもなんでも使えるのだ。チートだよ。あの野原にはアルルーンが住んでいるのだがブレンが来た時は怖がっていたのに納得した。

 婚約者に最低なことをしたそんな噂はありえないことがわかる、だって俺、勝てな

い。力押ししようとしても能力使われたら俺がご臨終だ。


「クラスに向かいましょうか」


「ああ、そうだな」


 入学式だと言っても平民や商人などの貴族以外はクラスに行ってそこで自己紹介をしてその後、ダンジョン部、錬金術部や写真新聞部などの部を見て回って所属をしないといけないのだ。帰宅部なんてものはないので非常に残念だ。


 クラスに入るとすでに席に座っている人たちから視線を受けながら席に向かう。




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