第8話 初めてお会いましたよ?
俺は立ち上がる。
「初めまして、エンド・ブラッドレン令嬢、私はワイズ帝国第四皇子のワイズ・ゼシャラルブです」
「デューレン王国エンド公爵の娘のエンド・ブラッドレンです、数時間ぶりですね」
「一体なんのことでしょう?私は初めてお会いましたよ?」
会ったことは黙っていないと。だってクリスがここに来ているんだ。ブラッドレンさんをこの野原まで案内する役目ということでクリスは来ていると予想はできるがもう学園に用紙を提出をしたことをあまり深く聞かれたくない。深く聞かれるとボロがでるであろう、そして聞かれた際に疑われたら平民で入学しようとしていることがバレてしまう。
「ふふっ、そうですか」
ブラッドレンさんは俺の隣に来る。
「私はお邪魔のようですな」
クリスはそう言い、離れていった。
「座って話ませんか?」
「そうだな」
野原の地に腰を下ろす。死の公爵の娘か。容姿を見るとそうは思えないな。死とは関係なさそうな美少女って感じがする。
「私もあなたと同じ学園に入学することになったので、あの~」
ふむふむ。同じ学園ね...は?
ブラッドレンさんは頬を赤く染めて意を決めて言う。
「仲良くしていただけませんか?」
上目遣いをされる。
もしかしてブラッドレンさんは友達がいない?
「いいけど」
これにて俺の学園生活は終わり。...いや違う!こうなればブラッドレンさんをこっち側に引きずり込めばいいんだ。。
「お話変わるけど、俺が『力の付与』で飛行魔法を授かったことは知ってるますか?」
「ええ、もちろん、その魔法が授かったから婚約が決まりましたし」
「んで、兄の第二皇子との次期帝王の争奪戦がおきると思っているから、それを避けたいの、だから協力してくれない?」
きっと争奪戦がおきてしまったら、貴族のみならず民衆の命が失う可能性があるし、さらに争奪戦に乗じて他国に侵略なんてされたらこのワイズ帝国の今後にかかわってくるのだ。
横を向くとブラッドレンさんは考えていた。俺は事の重大さをわかりつつ、軽く言った。でもブラッドレンさんは理解したのだろう。
俺はブラッドレンさんが答えにたどり着くまで待つことにした。
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