第7話 えぇ、なんで来ているの?
「では、入学式にお待ちしております」
「はい」
これでよし、あとは...寝に行くか。
俺は野原に向かって。学園から歩き出す。
学園の職員も俺がこの国の第四皇子だとは思っていないだろう。表立っていないからわからないだろう。
あ、そういえば俺、貴族どもに姿見られてる。学園には変装せずに行こうとしているから皇子であることがバレてしまう!緑の目も目立ちやすいがそれ以上に赤髪なのが目立つ。変装するにしても難しい。三年間もずっと変装できる気はしない。
バンッ
前から走ってくるボロボロなコートを着た人にぶつかってしまう。
「すみません」
こうやって考え事をしていると周りへの気も抜けてしまう。
ぶつかってしまって相手のフードが取れてしまう。
赤目に金髪、明らかに民衆とは違う風格が漂っていた。
バッチリと目があってしまう。
「ワイト王家のお屋敷まで道わかります?」
その女性の人は俺に問うてきた。明らかに貴族だ。
もしかして俺関連のことか?
「わかります、ただお屋敷を見ながら移動したらたどり着くと思います、あとゼシャラルブ様は今、外出中だと聞いています」
ワイズ王家の屋敷は初代帝王が終戦した後に建てた。もう争うことがないようにという意味でお城ではなく屋敷になったそうだ。しかし規模は他国の城よりも少し大きいのだ。
「なぜ?ゼシャラルブ様に会いにきたわかったんですか?」
会いに来たということはブラッドレンさんじゃないか!俺がゼシャラルブであることをバレてはいけない。今は、平民のゼブだ。
「ゼシャラルブ様とも婚約のお話が民衆の間に広まっていますから」
「そうですか、ありとうございます、私は急いでいますので」
そう言い,ブラッドレンさんは再びフードを被って走っていった。
俺も再び野原に向かって歩き出した。
「気持ちぃ」
風が吹くと草が揺れサァーサァーと音が鳴る。ん?
一部のところの草から揺れる音が聞こえない。誰か来ているのか?
目を開けると、赤目、金髪の風格が漂っている、明らかに貴族の人が俺の方に向かってきていた。
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