第3話 むむ、ダンジョン発見!
よし、夜になったな。
俺は暗闇の部屋から出ていく。昼食をとっていないからお腹が空いているので厨房に向かうことにした。
誰もいない、あるのは廊下を照らすランタンがあるだけ。
なので誰とも会わずに厨房に来れてしまった。
なにかあるかなと探っているとなにもない。はっ?
まさか毎朝調達しているのか…そうとしか今は考えられない。
俺は仕方なく部屋に戻り、窓を開ける。
空は曇っていて月が見えないからなのか普段よりも一層暗い。
飛行魔法を使い、浮いていく。
なんとも言えない感覚を持ちながら、窓から飛び出していく。
思った以上に動きやすい、浮いていない状態では出来なそうな動きだって出来るのだ。速さも自分の思いのままだ。
飛行魔法は初代帝王が得た魔法で工夫をしたら戦えるが大半は逃げるために使ったようだ。生き残ることも大事だからわかるけれどもなんかものすごく強いという感じがしない。むしろ第二皇子が持つ氷魔法の方が戦闘においては強いだろう。
あれはなんだ?
低空飛行をしていると洞窟を見つけた。その洞窟にはモンスター、所謂魔物がいた。つまりダンジョンというものだ。
そうだ、もしもこれからすることがうまくいかなかったら、ここに向かい死んだように偽装をしよう。
ダンジョンで思い出したが今年から学園に通わないといけない。えっーと…学園名は忘れた。
まぁ、いいでしょ。
さて、飯を食わないとな。
俺は着陸して、この時間でもやっている飯屋を探すことにした。
「いらっしゃい!一名か?」
俺はこくんと頷く、そして席に座る。
メニューは…面倒だ。
「注文いいか?」
「ああ」
「ではおすすめで」
「わかったよ」
ここのお店はどうやら夜からがメインにおいているらしい。
なので店内は賑っている。酔っ払いが多そうだ。
「なぁなぁ」
「なんだぁ?」
うわぁ、声うるさ。でも特にすることもないし聞いておこうか。
「特ダネなんだが、うぷっ、今年のヴァリアス学園に第四皇子が入学しゅるじゃないか」
特ダネねぇ、つまらないことだろうな、でもそういうところがいいんだよな。
「そうだな、げぷ」
「どうやら婚約するらしいんだ」
え?え?俺聞いてないんだけど、しかも動き早いでしょ。『力の付与』された日に決まったの?それか元々なにかしら決まっていて、もし俺が飛行魔法、つまり最有力王位継承者になったら婚約するという約束が交わされていたのか?俺の知らないところで、あと相手は誰だろ。
「そうなのか…さらに飲むか」
「ああ!」
気になるところだったのに。まぁ、クリスから言われるだろう。
「お待ちどうさま」
これはピザか。うまそうだ。
早速食べていく。
「…うまい」
「そりぁ良かった」
カウンターなので聞こえてしまった、ポツリと言ったので聞こえていないと思ったんだけどな。
そうして金を置いて店を出た。
「そういえば、もう一個、特ダネがあるんだ」
酒の酔いが一周回ってきたころ、男は話す。
「なんだ?」
「平民は『力の付与』で得られる能力は大抵決まっているだろ?」
「そうだな…まさか」
「ああ、破壊魔法が得た者が出たんだ」
「一体誰だ?」
「そこまではわからなかったが、特ダネだろ?」
「そうだな、まぁ誰かわかったら完璧なのにな」
「さぁ、夜が明けるまで飲み明かそうか」
「付き合ってやるよ」
「頼むぞ」
そっとグラスを当てる。
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