何も言わない 。 言えない 。

弧阿

第1話

初めまして , 私は田元 秋です 。 女の子です 。 自分でも頻繁に , それはもう事ある毎に思うのですが , 私は自己主張が苦手です 。


これから始まるお話は私の , 所謂日記のようなものだと言っていました 。 誰が言っていたのか , というのは内緒です 。 多分 , 神様みたいなものだと思います 。 そう思ってください 。


まず , 私について話しますね 。 それが良いと , オトモダチに聞きました 。 さっきも言いました , 私は自己主張が苦手です 。 私は12歳です 。 小学6年生で , もうすぐ中学生になります 。 私は背が低いです 。 でもどちらかと言うと , なので , ちびだとか , そういう訳ではありません 。 そういう訳ではないと思いたいです 。 私の髪は肩下 , 少し位の長さです 。 長くはないけど , 短くもないと思います 。 私としては , もう少し長い方がいいですね 。 よくツインテールをします 。 たまぁに , よくわからない不思議な人だと , オトモダチに言われます 。 私はラムネが好きです 。 食べる方じゃなくて , 飲む方のやつです 。 喉を通る時の感覚が , 痛いけど涼しいです 。


そういえば , 少し前に新しいお父さんが出来ました 。 本当はもう少し前に出来てたけど , 初めて会いました 。 まだお付き合いしているだけだと言っていたので , お父さんではないのだと思います 。 私にはお父さんが居ませんでした 。 シングルマザーと言うやつです 。 お父さんの顔は , 覚えているけど , 覚えていないです 。 だから初めてお父さんが出来た気持ちになりました 。 私は少しだけ嬉しかったです 。


それから一昨日 , お父さんのお家が遠いから , 私が中学校に上がるのと一緒にお引っ越しをすると言われました 。 御友達と離れ離れになってしまいます 。 私は自分の事を話すのは苦手です 。 だから御友達には , お手紙を書いてお話をしました 。 私は母によく , 泣かない子と言われます 。 だけどこの時は , 手紙を書きながら泣いていました 。 少しだけ恥ずかしいです 。


それから今日 , お父さんのことを " お父さん " と呼びなさいと , 母に言われました 。 お父さんのオトモダチが怒るかもしれないからだと言っていました 。 そのオトモダチはきっと , お父さん扱いをして欲しかったんだと思います 。 だけど私はよくわかりません 。 お父さんと私の問題なのにどうしてオトモダチが怒るのかわかりません 。 文句を言うのかわかりません 。 オトモダチは , 私の気持ちをわかっていたのでしょうか 。 私は少しだけ心がモヤモヤしました 。 少しだけ悲しくなりました 。



今日はこれくらいにして , そろそろ寝ないと 。 明日も学校があります 。 今日は寝坊して遅刻しそうだったので , 明日は一番乗りになりたいです 。


おやすみなさい 。

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