確定条件④
以下の言葉は絶対である。
以下の言葉は真実である。
以下の言葉は摂理である。
――――加地月彦は、転生者ではない。
彼自身が転生者だと自称していようと、自認していようと、この
すべて誤認、夢想のたぐいである。
繰り返す。
加地月彦は、転生者ではない。
――――だが彼以外に、転生者は存在する。
しかしながら、この
よってノックスの十戒の適応外であることを念頭に置いておいてもらいたい。
たとえ
以上の言葉は絶対である。
以上の言葉は真実である。
以上の言葉は摂理である。
◇
神はサイコロを振らない――しかし遊戯を前にしても、頑なに振らないわけではない。
「このセカイでの ゲームも そろそろ『おおづめ』ですね」
空虚な暗がりの中で、『それ』は言葉を発していた。
「どんな 『おうぼう』も 『ぼうぎゃく』も ありうるセカイのピースとして 『ふわけ』され 『きしゃく』されますが……」
世界を創った神でも七日はかかった。小さな矛盾も、いずれ大きな皺寄せが来る。
だが……そもそもが余剰の塊であり、
具体的に言えば――どんなに醜い末路を辿ろうが、没ルートとして剪定される。
おおよその矛盾は
どんなに凄惨な
――『は? チート能力くれねぇのかよ。しかも「なんでもだと範囲広すぎる」とか、ケチくせぇこと言うな~神様のくせに』
『それ』は、かつての会話を思い返す。
――『じゃあ、えっと……あれだ、「どこにでも移動できる能力」! 単純に移動すんのメンドクセェからな。それと必要なのは、抵抗された時に「クソウゼェ聖剣とかを防げる力」か。惚れさせる能力……は別にいっか。どうせ女共は惚れるしな。じゃああとは、いい塩梅に■■の■■を合わせる力くらいか。これも便利だし取っておいて損ないよな!』
そう言葉を交わしていた異邦人も、盤外から遂に物語へと踏み入れた。
「はたして 『みれん』は なくせるでしょうか? なくせないでしょうか?」
勝利の女神が、うっそりとほくそ笑んでいた。
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