コメディーといえば

武藤勇城

本編

#140字小説 より

以下、全て自分が描いた「#140字小説」という、ツイッター投稿1回分で収まる範囲のSSショートストーリーです。本当は何れか一つを膨らませ600文字に変えようと思ったのですが、時間の都合で出来ず。1話だけでは規定文字数に足りませんので(笑)「百物語」「二百物語」から各3作品と「二百物語延長戦」2作品、計8作品のオムニバスになります。




時間停止能力を得た。

何でもやりたい放題。可愛い子に悪戯。俺を虐めた奴に復讐。金や物には困らない。

ふと思った。監視カメラに映ってたら捕まる!

慌てて確かめてみたが時間が止まってるんだから映らない。当然だ。

そして俺は気付いてしまった…

「時間停止AVってヤラセだったのか!」

(百物語 第五集より)





プーチン。それは人類最強の男。

プーチン流柔術を修め、熊でも虎でも素手で倒す。

技の極意は襟の握りにある。ぐっと握って手首を返す。

「お前の道着は安物だな。買い替えろ!」

「お前は洗ってない。臭い!」

「お前は…このタグは…ブランド物か!」

裏地ー見る・プーチン。

(百物語 第六集より)




「助さん格さん参りましょうか」

越後のちりめん問屋に扮して世間の悪を裁く。水戸の御老公。

些細な事件も見逃さない。武力の脅しにも屈しない。

こちらは最強のチートキャラが揃っているのだ!

左右に控える両雄。裏で支える忍びの者。

最後にうっかり八兵衛。…さてはコイツいらねえな?

(百物語 第十集より)




姉の旦那はハワイアン。甥っ子と姪っ子は日米ハーフ。2人と10回ゲームをやった。


「ピザって10回言ってみて?」

「ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ、ピザ」

「じゃあここは?」

ひじを指さし訊ねると甥と姪は声を揃えて元気に答えた。


「エルボー!」(実話です)

(二百物語 第一集より)




友人と埼スタの代表戦を観に行った


買いすぎた日本代表チップスを周りに配る

隣の男性から返礼の飲み物を頂く

女性2人組からどこのファンかと問われ

地元浦和レッズと答えると今度は誰のファンかと

代表ユニの胸の4番を指し示す

本田ですか?

ニヤリと笑ってくるり背中を見せた


「TULIO」

(二百物語 第十集より)




夏休み明けの学校


「はあ~マジだる~い」

「まだ暑いもんな」

「何もヤル気出な~い」

「そうだな。夏だな」

「もう帰りた~い」

「大丈夫か?体調悪そうだな」

「もう朝から最悪ぅ~」

「そういえば体育も休んでいたな」

「うん。女の子の日きちゃって~」

「そうか。でもお前男じゃん」

(二百物語 第十三集より)




「く・・・ッ!

オレの・・・オレの魔眼が・・・

今日は一段と強く・・・ッ!

このままでは・・・抑えきれん・・・ッ!

闇の光よッ!

まだだ!

まだ・・・

世界をお前には渡さんッ!」


「おかーさん。あそこのお兄ちゃんライト持って、病みの光が~とか言ってるよ~」

「し~っ!見ちゃダメですっ!」

(二百物語 延長戦 第二集より)




白スーツに赤ネクタイ

短髪男性が舞台下手から登場

「はいど~も!

ご当地お笑い芸人ボッチーズです

今日はここ過疎村の村長選挙

掲示板を見に来ました

って候補者一人しか居らんやないか~い」

ないか~い…ぃか~い……~ぃ……

ツッコむ相方もいなければ

観客は森に響く木霊のみであった

(二百物語 延長戦 第六集より)

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