3-7

「アナグラムチャレンジ! 自分の名前をアナグラムにして面白かった方が勝ちです」

「はい!」

「福田さん早い」

「ふくだはなこをアナグラムにして、『船子は抱く』」

「船子って誰よ」

「できました」

「はい、棚橋さん」

「たなはしぼたんで、『梨は田んぼな』です」

「どういう状況? でも二人とも早い」

「監督はどうですか?」

「えっ。……うーん……かしままもるをアナグラムにして、『ママも叱る』」

「綺麗なの作ってどうするのよ」

「理不尽!」



<チームネタ将何やってるんだw>

<なんでみんなアナグラムが得意なんだよ>

<くりたまちこで「子、立ちまくり」 #棋士アナグラム>



 栗田さんはというと、今回は矢倉に囲っていた。どうしても勝ちたいという思いが伝わってくる。ただ、やっぱり角は切っていた。

 細かい攻めをつなぐため、次々とパンチを繰り出す。三人ともが感心するような手も多く出てきた。

 そしてついに、相手玉を追い詰めた。

 頭が下げられ、対局終了。5-1でチームネタ将の勝利である。

「やったよー☆」

「すごいです!」

「かっこよかっです」

 戻ってきた栗田さんと少女二人がハイタッチする。そして僕は、しっかりと握手をした。

「信じて応援してましたよ」

「本当に?」

 アナグラム作ってました。

 これでチームネタ将は1勝1敗、全体では9勝6敗とし、あとはチーム蟹蟹とチームB型の対戦結果を待つこととなった。

 チーム蟹蟹はまだ1勝しかしていないので、かなり苦しかった。7敗以上するとチームネタ将が成績で上回るので、あと2敗しかできない。

 僕らは、予選最後の戦いをじっと見守っていた。そして、2勝2敗の五分で迎えた第5戦、チーム蟹蟹が勝利した。これでチームB型は8敗目。チームネタ将の二位以上が確定し、予選通過が決まった。

「やったー☆」

「当然の結果ね」

「良かったです」

 三人ともそれぞれのテンションで喜んでいる。

 そして、チーム蟹蟹はそのまま勝利し、一位通過が決まった。この結果僕らは、トーナメント初戦でチーム天の川と対戦することになったのである。

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