2-3
「兄様はメイド服が好きなんですか!」
「違う!」
風評被害がひどい。
ネタ将は自分までもネタにする傾向がある。ありえないのにずっと17歳だと言い張ったり、ツインテールが好きだと強く主張したり。でも僕はネタ将ではないので痛みを伴いたくない。
「多分ですけど、メイド服が一位になったら兄さまも着ることになりますよ」
「えー」
「将棋界はそういうところあります」
確かにある。「罰ゲーム」と言われる、タイトル戦後のコスプレ写真会(?)まであるので、このお祭り的な大会ならばなんでもありだろう。この前はカツラを投げ捨てている先生もいた。
「ってことは、着物も着るかもしれないのか」
「買いますか?」
「いやあ、兄さん、フリークラスだよ?」
「お金がないと」
「そうなの……」
誰かに借りるしかないか。……ん、ドレス? ワンピース?
頑張れ和服!
最近「#チームネタ将がやらかしそうなこと」という投稿が時々見かけられる。うちのチームだけ、成績以外の面でいろいろと期待されているようである。
とはいえ、タイトルホルダーにレジェンドに最年少。実力的にも大変期待のできるはずのチームなのである。
彼女たちには監督として、戦法面での作戦も伝えてある。大会本番では、ネタだけじゃないというところを見せてやる!
<ネタは受けないが大会では大活躍する。
#チームネタ将がやらかしそうなこと>
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