エピソード 2

「おーい!昼食ができたぞー!」

 腹がとても減っている。やっとか。もう昼の1時だからな。

 朝、いきなり新メンバーが発表されてから、何も食べていない。そりゃ腹も減るわな。

「「「「は〜い!」」」」

 タオ以外の声が揃った。みんな相当腹が減っていたんだろう。

 というか、手を洗わねば。

 やっぱりトレーニングの後は手と顔を洗わないとな。始まんないな。うん。

「わー!美味しそう!これ食べていいんですか?」

「ん?なんだ?鳳仙は中華は初めてか?」

「はい!食べた事ないです!」

 こいつは今までどんな人生を送って来たんだ?

 中華を食べた事がないとは。

 せめてチャーハンぐらい食べたことあるだろ。

「まあ、気にせず食べろ。誰も文句は言わない。」

 蒼堂がそう言った。ならば気にせず食べるか。

「おい、攻浜。いつもの。」

「あ!はい。手を合わせて、いただきます。」

「「「「「いただきまーす」」」」」

「ところでだが。新しい任務が課せられた。」

 新しい任務だと?このところ任務のし過ぎじゃないか?

「また任務ですか…」

「文句でも?」蒼堂が攻浜にメンチを切り掛けた。

「い、いえ!決して文句などは。ございません。」

「任務内容は、嫦娥閉殻(じょうがへいこく)の長と、フェルノルカ家の末裔とコンタクトを取る事だ。」

「フェルノルカ家?聞いたことないな。」

 俺は内心何それ美味しいの?という状態だった。

「嫦娥閉殻、嫦娥閉殻に行けるのか!?」

 タオの目が変わった。何かあるのか?

「そうだが?」

 そんな事より俺はフェルノルカ家が気になる。

 あと、鳳仙の事も。

「とりあえず、通告された情報はこれだけだ。」

「いつ行くんだ?」

「今日の夜だ。」

「「「「え……………」」」」

 蒼堂以外声が揃った。

 早くない?早くないですか、蒼堂さん。

 「今日の夜に出発し、明日の早朝に着く予定だ。」

 まじでか。武器の修理とかまだ終わってねえぞ。

 本当に行くのか?おい。

「本当に行くのか?」

「これは既に決定した事だ。」

 昼食そっちのけで、蒼堂以外の全員が、呆然と椅子に座っていた。

 ついでにタオの目の色も、輝きから、絶望になっていた。

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