田原総一朗、倒れた総理を見る
僕、田原総一朗は今日も討論番組の収録へ向かう。
○○テレビのスタジオに入ると、まずはみんなに挨拶をした。
今日、僕に挑んでくる人は、ジャーナリストの
早速、開始時刻だ。
パチパチパチパチパチパチパチ
大きな拍手がやむのを待ってから、番組進行係のアナウンサーが口を開く。
「さあ、今夜も始まりました、朝まで終わらん激熱討論!!」
パチパチパチとまた大きな拍手が鳴る。
「はい、今日のテーマを早速発表しちゃいましょう。今夜のテーマは・・・・・『激論!アフリカ戦争で日本はど~する?』です!!」
「最近、アフリカで戦争してるからね。日本は今んところそれらしい支援してないのよ。相手側の大国から何やら制裁されたりして・・・・・大変大変。内閣支持率もともと低いのにピンチだよね」
「もっとも、今回は総理大臣、いらっしゃります!!!!」
スタジオはすんげぇリアクションに包まれる。
ゲストが出てきた。今日はこの人らと僕は戦うことになる。
「それでは、早速始めてもらいたいと思います」
まずは、僕が話を振る係だ。
「最近さ、アフリカで戦争やってるので世間騒いでるよね。それについてみんなに聞きたいと思うんだ。飲食店の徳井さんどう?」
「経済がどんどん落ち込んでいってます。スーパーで買ったもので料理するのが精いっぱいな人が多いので、飲食店の収入はほとんどなくなってしまっています。総理、これをどう見ますか?」
そう言って、徳井が聞いた時、みんな分かった。
「あれ、総理いませんね?」
みんながざわつき始めた。番組のドッキリではないはずだ。
収録を中断して、総理大臣を探し始める。
「私、楽屋行ってきます」
女性アナウンサーが楽屋に行って少ししたら、
「キャァ!!!!」
悲鳴が聞こえた。
若い輩は走って向かうが、高齢者には厳しい。ゆっくり歩くしかない。
やっとのことで、楽屋についたら、総理が横たわっていた。口にはテープが張ってあった。
「総理は生きておられます」
僕を落ち着かせるために、男性アナウンサーが言った。
「何でこうなったのかい?」
市嶋頼明が言った。
「あのねぇ、君。こういう時はまず救急車呼ぶだろう。小学一年生でもわかるぞ」
「その時間の間にも少しは原因を探した方がいいのでは?」
「まず、救急車は呼んだのかって聞いてるんだ。別に、何者かにやられた跡はないだろう?」
ああ、口論を始めてしまった。
「すぐにわかるものではないです」
「君は、幼稚園ぐらいの時に探偵ごっこをしていたと見れるね」
何を思ったのか鋭い指摘に、市嶋はひるんだ。ひるんだだけではなかった。
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