結果論


親子、母子間の無理心中は時折みられる社会現象だ。その類いかと思ってしまう。


そして、それもそんな風に捉えていた。


言ってみれば偏見であり、バイアス。


「ふぅん」


彼はそう思ったが、違和感がある。


「‥‥‥生きていた?」


認知的不協和に違う認知が重なり、その二つの歯車の軋みは、新しい認知ジンテーゼを生む。


「もしや誰も気功制御法きこうせいぎょほうを教えてない?あのクソババァの馬鹿そっちに気づけ!」


老人は男性、中国拳法の老師であった。


「ケホッケホッ」


少し前の自分の孫娘の咳で気づいた。


「後の祭りとはこの事だ」


流血刀は何もかも錆びついていた。



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