第24話 動物たちが美少女化した原因
これ夢なんだと思う。
僕は気がつくと体の感覚が無くって、体が動かなくって、ただ映像を見ていた。
だからこれは夢なんだと思う。
僕が見たのは、誰でも知っている有名な話だ。
とても自然がキレイな草原の中、裸の男女が楽しそうに喋っていた。
周りには犬や猫、馬やライオン、ワニや蛇、カエルや鳥達……そしてティラノサウルスや子供大の昆虫達やよく解らない謎の生命体が闊歩していた。
そっか、全ての生物は神様が最初に作ったから、地球だと絶滅した動物もエデンには最初から揃っているのか。
納得する間も映像は続いて、二人の男女、たぶんアダムとイブは、木から大きなりんごの実を採って食べてしまった。知恵を持った二人は互いの裸を見るや否や顔が真っ赤になって、股間を隠した。
食べちゃいけない知恵の実を食べた二人に神様は怒って、二人をエデンから追放した。人は知恵の実と生命の実を両方食べると、完璧な存在になり神を恐れなくなる。だから神様は用心の為に、生命の木の周りに怪物である使徒達を配置して、人間を近づけないように命令した。そして、
「ふー、さてと、これで人間が完全な存在になる事は無いだろう。しかし使徒を作るのに思ったより時間がかかってしまったな」
とても威厳のある人が、上機嫌に草原を歩いている。たぶん神様だろう。すると、
「神さまぁー」
遠くから聞こえる声に神様は振り返って、僕と同時に驚いた。
そこには、全裸の美少女がりんごを手にして走って来た。
「なっ、その姿は、それにそれは知恵の」
「神様、これ凄くおいしいんですよ、最近みんなの間で流行っていて」
「みんな!?」
神様が遠くを見ると、動物の耳や尻尾を生やした裸の人達がぞろぞろ歩いている。
「しまったぁー!」
神様は頭を抱えると、すぐに知恵の木の周りにも使徒を作って配置した。
「ふー、これで大丈夫だろう。なんとか鳥と魚は人間化していないし、みんなも」
「神さまぁー、これおいしいですよ」
また裸の女の子が、今度は青いりんごをおいしそうに食べながら歩み寄って来る。
「それは生命の実!? なんでだ!?」
「使徒さんに聞いたら人間は通っちゃだめだけど私達は動物だからって通してくれましたよ? 今この身がみんなの間で流行っているんですよー」
その時、木の上から子供が落ちて、首の骨を折って死んだ。けれど体は光の粒子となって消えてから、また再構築、子供は生き返る。
神様は疲れ切った顔で、その場に膝を折った。
「なんじゃそりゃ!」
僕が叫ぶと朝だった。場所はお城の寝室で、左右にはティアとモチポが眠っていた。
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