第10話 ゾウ少女ファノビア・アフリカヌス
あ、すっごく納得。
「申し遅れましたが、私は王国軍ゾウ隊隊長、そして五大貴族、ゾウ族の代表貴族であるアフリカヌス公爵家長女ファノビア・アフリカヌスです」
耳の形と名字から察するに、ファノビアさんはマルミミゾウやインドゾウではなく、アフリカゾウらしい。
ファノビアさんは知的な風貌で僕を見つめ、落ち着いた雰囲気で佇まいを正すと、淡々とした口調で説明を始める。
「単刀直入に申し上げますと、ここは貴方がた人類がエデンの園と呼ぶ場所です。唯一のニンゲンだったアダム様とイブ様が追放されたのち、全ての動物は人化して、人間のような社会と国を作りました。ですが、とある理由により一〇〇年に一度、地球から救世主として一人の人間が召喚されるという伝説があるのです」
「いやいやいや、それないでしょ? エデン? 動物が人化? いきなり異世界とかそんな事あるわけが」
喋っている途中で、不意に右手を引かれて何か温かいものに触れた。
見れば、僕の手はエマさんの耳に触れていて、エマさんは誘うような目でほほ笑んでいた。
「モチポですでに御存じでしょうが、取れませんよ?」
「…………」
確かに、エマさんの馬耳は付け耳ではなく、明らかに顔から生えている。僕は反論ができなくて困ってしまった。
ファノビアさんは続けて言う。
「一〇〇ごとに召喚されるニンゲン様は、皆かんたんには信じてくれませんでした。しかし、エマ」
「はい」
エマさんは、僕の左手をつかむと、スカートをたくしあげて中に突っ込ませた。
「な、何を急にっ!」
僕の左手から、エマさんのふとももの感触が伝わって来る。
初めて触った女の子のふとももは張りと弾力があって、指先が簡単に食い込んだ。いや、女の子だからじゃなくて、エマさんだからきもちいんだ。
エマさんの大きく、綺麗な瞳に僕の顔が映る。エマさんは美人で、髪も肌も綺麗で、スタイル抜群で、本当に凄く魅力的な女の子だ。
そして僕の手は、そのエマさんの太ももから腰を通って、禁断のヒップゾーンへと伸ばされる。
「うあぁあ……」
僕の手が、エマさんのお尻に埋もれた。けれど、大きくもキュッと引きしまったお尻は内側から僕の手を押し返して、なのに吸いつくような感触で矛盾を感じる。
「ふふ、ニンゲン様、もっと上ですよ」
自分でお尻を触らせておきながら、エマさんは僕の耳もでそんな事を囁く。僕は背中に汗をびっしりとかいて、心臓は破裂しそうなほどドキドキして止まらない。
「あ」
僕の指にソレが触れて、ようやくエマさんの意図が解った。
僕の手に触れたのは、馬の尻尾だった。
腰の皮膚の延長で、エマさんの尾骨辺りから、細くて短い尻尾が生えている。その尻尾からはつやつやの長い毛が生えていて、それはスカートに開けられた穴から外に出ていた。
「エマ!」
怒声と一緒に、白い虎耳の少女が怖い顔で、こっちにずんずん歩み寄って来る。
「貴様は先程からニンゲン様に近寄り過ぎだ! まさか貴様、ニンゲン様に取り入りその御寵愛を独り占めする気ではあるまいな!?」
白虎少女に詰め寄られたエマさんは、大人びた余裕の表情を崩さない。
「これはこれはティア様。ご安心を、私は一日五〇回自分を慰める貴女とは違いますから」
「誇張するな!」
白虎少女の目から怒気が溢れた。
ちなみに、虎は低すぎる繁殖力を補うために、繁殖期は一日五〇回交尾をすると言われている……いやでもまさかね。本人も誇張って言っているし、って誇張!?
言葉を意味を深く考える前に、ファノビアさんが次の指示を出した。
「耳と尻尾だけではありませんよ。皆の者」
ファノビアさんが手を叩くと、一部の子らが服をはだけたり、髪をかきあげた。
「……!?」
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