第14話 土のスケルレーネ 風のマリバリシアVSラブコメ主人公
「それでやっぱグリフォンはカッコイイけどオレ的にはヒポグリフも捨てがたいんだよな」
「おお、流石おにいさま、ヒポグリフの魅力が分かりますか」
「カイナちょっと代わって、アタシあいつらの相手無理」
「えっ! あっ!? わ、わたしは今まで何を!?」
腹部に回復呪文をかけながら走り寄るマリの姿にカイナは慌てて立ち去るがすれ違いざまに呟く。
「気を付けてください、あのおにいさまは危険です」
「え?」
自分の代わりにセイル、竜輝と戦いに行くカイナの言っている意味が分からないままにマリは凛一と対峙する。
「ここからはこの魔族最強の魔術師マリバリシア様が――」
「お前ボロボロじゃないか!?」
「はい?」
凛一は心配そうに歩み寄るとハンカチを取り出してマリの顔の煤(すす)を拭き取る。
意外過ぎる反応にマリは戸惑うが凛一はそんな事はお構いなしだ。
「あーもうこんなにケガして、せっかくの美人が大なしじゃないか、なんでこの世界の美少女って戦うのかなぁ、女の子は頼れる彼氏に守られながら楽しく平和に暮らさなきゃダメなんだぞ、これ、世界の真理な」
「ちょっとアンタ」
ブチッ
ミサイルの爆炎でボロボロになったマリのブラジャーが千切れてハラリと落ちたのは、凛一が丁度彼女の首元を拭いている時で、凛一の目の前にCカップほどのバストが晒されて、ぷるんと震えた。
「いやぁ! 見ないで!」
「ふぉおおおおおおおお!! だだだ、大丈夫だオレは何も見てない! 何も見ていませんぞぉ!」
と言いながら凛一は鼻血を流しながら顔に手を当てるが指の隙間からバッチリとガン見して動画とコマ撮りで脳内HDにガッツリ保存していた。
凛一の裸眼カメラは今日も絶好調である。
桜崎凛一の四八の主人公補正(スキル)
オート・キャストオフ:美少女の痛んだり負荷のかかった衣服は凛一の前では崩壊の運命を避けられないのだ。
「そ、そうだ! とりあえずこれを着るんだ!」
言いながら凛一は体育用カバンからジャージの上を取りだしマリに羽織らせた。
「……あ、ありがと」
素直にジャージの袖に腕を通すとファスナーを上げてくれる凛一を見るマリの顔がみるみる赤くなり、心臓が高鳴る。
彼女の心の中にはもう否定しきれない思いでいっぱいだった。
間違いなく、マリは男である凛一相手にトキメいている。
桜崎凛一の四八の主人公補正(スキル)
無償の優しさ:凛一の紳士的かつ無償の優しさを受けた女性は例えハードレズビアンな百合百合娘でも本来の本能が目覚めて心がオーバーヒートするのだ。
「お姉ちゃん! アタシこいつと戦えない!!」
頭から湯気を出しながらマリは姉のレーネとバトンタッチ、レーネはわけも分からず頭にたくさんの疑問符を浮かべながら凛一の前に立った。
「なんかよく分からないけどボクが相手だ、どこからでもかかってこい!」
「いやだ!」
余りに力強い返答にレーネはコケそうになる。
「なんでさ!?」
「お前みたいに可愛い女の子を攻撃できるわけないだろ!」
「か……かわ、かわいいって……ボクが?」
リンゴのように顔を赤くするレーネの両肩をつかみ、凛一は続ける。
「お前以外に誰がいるんだよ、お前みたいに可愛くて綺麗でまだ若くて将来性に溢れた美少女相手に戦うなんてオレはそんな外道な真似したくない!」
「はうぅ、で、でもボク……体たくさん鍛えてて、妹のマリならともかくボクなんて」
両手の指を絡めてモジモジしながらチラチラと上目づかいに見てくるレーネが可愛くて、そして位置的に凛一の視界にはレーネの大きな瞳の先に大きな胸の谷間が見えて、潤む瞳と巨乳のコラボレーションに凛一の鼻から再度血が流れ出した。
「え? ちょっとボクまだ何もしてないのに何で血が出るのさ!?」
「そんなのお前が可愛い過ぎるからに決まってるだろ! さっきから男として色々我慢しまくりなんだぞコノヤロー!」
レーネの頭から湯気が立ち上り、魔族特有の病的に白い肌は尖った耳や首元どころか体全体が赤く染まり、羞恥と嬉しさのせめぎ合いで涙腺から自然と涙が溢れてくる。
「そそ、そんな事言っても騙されないぞ! ボクが、ボクが可愛いなんてそんな……」
「あーもーだったら証拠見せてやるよ!」
「へ?」
凛一はレーネを引き寄せ、そして抱き締め、両腕に強く、強く力を込める。
三秒後、レーネの中で火山が噴火した。
「うあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
人外の怪力で凛一を振りほどくとレーネは涙をぼろぼろと流しながらリーダーのルビナードの元へと走りながら奇声を発していた。
桜崎凛一の四八の主人公補正(スキル)
主人公ハグ:凛一に抱きしめられた純情乙女は一撃で陥落するのだ。
「四天王のリーダーでみんなのお姉ちゃん、それがこの私ルビナードよ」
「なんでオレの相手だけコロコロ変わるのかなぁ、まあ全美少女網羅できて嬉しいけど」
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