第13話 土のスケルレーネVS格闘主人公
「貴様に恨みは無いが邪魔をするなら容赦はせんぞ?」
竜輝の固めた拳を見て左サイドテールのボクッ娘美少女はため息をついた。
「えー、おにーさん格闘家? まあそんだけ筋肉あれば当たり前か、ボクとしてはちょっと魔術の力も期待したんだけどなー、ボクは魔族最強の戦士スケルレーネ、弱い人間じゃボクと肉弾戦は無理だよ」
呆れ気味に語るスケルレーネはマリバリシアの双子の姉だけあり同じ顔立ちの美少女で違いは髪型のサイドテールが左側である事と髪と瞳の色が茶色である事、後は体型くらいいだ。
年は高校生くらいに見える。
ただ双子でも妹が魔術を極めたように姉のスケルレーネは武芸を極めた身である。
身長こそ同じだが彼女の胸や腰、拳やひざ下を覆った皮製の鎧が無いフトモモや二の腕は鍛え上げられ筋肉で美しく引き締まり、可愛いヘソの見えるお腹は薄くだが割れているのが見てとれる。
それと体を鍛えた影響か、双子のマリバリシアと一目で区別できる特徴として姉のスケルレーネのほうが胸とお尻が明らかに大きく、特に胸に関しては妹に妬まれる対象であると同時に性的な意味で好まれている部分でもあるという微妙な立位置にある。
「そもそも人間の格闘家見て思うんだよねー、人間は肉体的にも魔力的にも魔族より圧倒的に劣っているから魔術の詳しい研究したり特別なアイテム使ったり人数集めて数で攻めるでしょ?」
竜輝が歩み寄る。
「なのに武器も魔術も仲間も無いまま身一つで戦うとか自殺行為ぐばぁあああああ!!」
竜輝のボディブロウがメリ込みスケルレーネの体はぶっ飛び、同時に隣で戦っていた妹のマリバリシアにはミサイルが着弾していた。
「悪いが隙だらけだったぞ」
黒コゲになったマリバリシアのすぐ真横に落ちてスケルレーネは腹を抱えて悶え苦しみ。
「おえぇぇえ……さ、さてはおにーさん肉体強化呪文かけまくってるね」
「だったら任せてお姉ちゃん! マジックキャンセル!」
コゲたままマリバリシアは立ちあがると竜輝に手をかざして黒い魔法陣を飛ばした。
そのまま光の魔法陣は竜輝に当たり収束して竜輝は何か変わったのかと自分の体を不思議そうに見る。
「これで肉体強化呪文は無効! さあさあおにーさん、脆弱な人間らしく魔族のボクに倒されでぶごぉおおおおおおおお!!」
一瞬で距離を詰めてきた竜輝の右フックに横っ面を殴られてスケルレーネはコマのように回転しながらぶっ飛び、妹のマリバリシアは開いた口を手で閉める。
「わ、分かったわ、さてはアンタ土属性か鋼属性でマジックキャンセルの後に拳を強化したのね、でも魔力や魔道具を使った属性攻撃はあたしのマジックシールドボハァアア!」
竜輝の裏拳がマリバリシアの顔面を叩き、哀れ魔族最強の魔術師はフィールドの端まで飛んで大木にぶつかり地面にズルリと落ちた。
そこを狙ったように倒れた彼女の目の前の地面がアークの電磁投射機関砲(レールマシンガン)に撃ち抜かれ大きく抉れる。
当然彼女自慢のマジックシールドは発生する気配も無く、魔王軍四天王、風のマリバリシアの額に冷や汗が流れた。
『寝てると死ぬぜ』
アークの手に握られた電磁投射機関砲(レールマシンガン)から無数の弾丸が放たれてマリバリシアは跳び起きると死に物狂いで空に逃げるが射線は逃げるマリバリシアを追いかけてやがて電磁加速された弾丸の何発かが背中と腰に命中、最強の魔術師は鈍い悲鳴をあげながら地面に頭から落下した。
『すげーな、人間に当たったら普通肉片も残らねーぞ』
「魔族の肉体強度ナメんじゃないわよ!」
『だったら起きるのなんか待たねーぜ!』
なおも発砲を続けながら迫るアークに驚きながらマリバリシアは自らの意思でマジックシールドを展開、だがマッハ5で飛来すら大砲のような弾丸の嵐に自慢のシールドにはみるみるヒビが入って今度は彼女が凛一のようにパニクる番だった。
「ちょっとちょっと何よこれ何なのよ!? こんな呪文見た事ないしどんだけ威力あるのよこれぇ! あーんシールドが持たないじゃない……って……」
電磁投射機関砲(レールマシンガン)を撃ちながらもセイルはアークを進行させて腰の高周波ブレードを引き抜きスイング、身長一六〇センチの少女の視界が全長五メートルの大刃で覆われた。
「ちょぉお!!?」
今まで戦ってきた剣士や勇者の剣とは比べ物にならない馬力と、キロではなくトン単位の圧倒的過ぎる質量にマジックシールドは砕け散りマリバリシアの体は人形のように軽々と吹っ飛んで行く。
「マリィーー!」
竜輝にボコられ続けていたスケルレーネがマリに駆けよる。
死んではいないが腹部の浅い切り傷からは血がにじんでいた。
「咄嗟に肉体強化かけたけど……シールドが無かったらアタシ死んでたかも……」
「ダメだマリ、あいつらとは相性が悪いからカイナと交代してきなよ!」
「そうする……」
『おーい、降参するかー?』
「ちょっ、選手交代だからタイム!」
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