第112話

秘薬を飲ませるとまるで寝てただけかの

ように起き上がってあくびをして


「あれ、エスタどうしたの?」


そう言ってから


「え、私声出てる…」


とびっくりして

笑ってるのか泣いてるのか分からない顔をしながら


「エスタが治してくれたのね

本当にありがとう」


僕達が泣いてるのに気がついたようだ


「お、お母さん…よかった…

もう起きなかったらどうしようかと思った…」


使い魔のみんなも嬉しそうにはしゃいでる


クリスとルートだけ一緒にいたのに何も出来なかったからと凹んでる


「みんなどうしたの?

エスタなんで泣いてるの?」


泣いて話せない代わりに

クリスが説明してくれてるようだ


「え、私そんなに寝たきりだったの?

でももう大丈夫よ!」


そう言いながら力こぶを作る仕草をする


「本当に良かったよ

ザルトさん達がご飯と酒買ってきてくれるから今日はお祝いだよ!」


泣き止んだ僕は笑顔でお母さんにそう告げた

みんなでリビングに降りて

ダンジョン内であったこととかを話す


「んーじゃあその賢者の宝玉って言うのは使えなかったの?」


「うん

なんでかわかんないんだけどね」


「じゃあ血を垂らしてみたら?

英雄譚とかで契約とかする時によくあるじゃない」


確かにそんな話あったな


「じゃあやってみようかな」


僕は短剣で指先を少し切って賢者の宝玉に

血を垂らした


すると賢者の宝玉が

凄い光を出しながら宙に浮いた


ーーーーーーーーーーー

賢者の宝玉により知恵が授けられます

ーーーーーーーーーーー


そう脳内に声が聞こえて目の前が真っ暗になった

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