第107話
「セリーヌ君はもう下がりなさい
鑑定結果の事はくれぐれも口にしないように。」
そう言って受付嬢のセリーヌさんが退室してから
「挨拶が遅れて申し訳なかったね
ワシはこのギルドの支部長のトムだ
よろしく頼む
先程は不快な思いをさせてしまってすまない」
と挨拶してくれた
好々爺は支部長だったのか
「初めまして
冒険者のエスタですよろしくお願いします
僕は気にしてないので大丈夫ですよ!」
挨拶を返してから鑑定結果をみる
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秘薬エリクシル
どんな病でも治すことが出来る
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よし!やっぱり秘薬だった!
エリクシルって名前なのか
「良かったらワシにも鑑定結果
見せて貰えないかい?」
「はい、どうぞ!」
頷きながら差し出す
「やっぱり秘薬だったのか
手に入れた状況などを教えて貰えるかな?」
「場所は言えないんですけど、金色の水溜まりみたいな所で汲んで来ました」
支部長は僕をジッと見ながら
「場所を言えないのには何か訳があるのかね?」
と聞いてきた
どこまで話すべきだろうか
グエンの事を言って正直に話した方がいいかな
でもそうするとみんな取りに行こうとしてあの水場もグエンの家だった所も荒らされそうだ
どうしようかな
迷ってたら着いたってことにしようか
なんて考えてると
「ここで聞いたことは誰にも言わないことを誓うよ。もちろんワシが取りに行ったりすることも無い
ただの興味本意だよ」
それならばと
「分かりました。
グエンテーブルの上に行って」
「承知」
そう言ってグエンがテーブルの上に乗ってから話す
「この子の住処だった所を進んで行ったとこで見つけたんです。
このグエンは僕の大事な仲間なんです。
グエンの住処だった所を荒らされたりしたくないんで場所は言えないです」
支部長は困った顔をしながら
「その子はダンジョンに住んでいたって事かい?」
「はい、そうです」
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目の前のエスタと言う少年は
グエンと言う小さい蛇の魔物がダンジョンに住んでいて秘密の部屋を守っていたと言う
しかしこんなに小さな魔物に守ることなど出来るのだろうか
「その子はとても強そうに見えないのだけど本当に秘薬の部屋を守っていたのかい?」
ちょっと失礼だ、と思いつつも聞いてみる
「はい、ほんとうですよ
場所があればおみせできます」
場所があれば?
気になるな
よし、地下の訓練場は今日は何も無かったはずだ。少しの間なら人払いをしても問題ないだろう
「わかった
じゃあ場所を用意するから見せてもらってもいいかい?」
何をするのか楽しみに思いながらそう聞く
「はい!わかりました!」
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