第6話

僕は父に抱えられたまま詰所の中に入った


「お前怪我をしているのか?」


鎧の男の人は父の方を見ながら聞いた


「アングリーウルフに背中を襲われて命からがら息子を、抱えて逃げてきました」


え!?

怪我しながら僕を抱えて走ってきた!?

僕は意味が分からなかった


「お父さんさっきランニングだって言ってたよね?

怪我なんかしてないよね?」


そうだ、きっとお父さんの冗談なんだ

アングリーウルフは冒険者のお姉さんが退治してくれたんだ


「エスタ、嘘ついてごめんな

お父さんお前だけは助かって欲しかったんだ

騎士さん息子だけでもこの街で住ませて貰えないでしょうか」


父は辛そうな顔をしながら話している

僕は父の話が全然理解できなかった

お母さんも村の人達もみんな殺された?

今日の朝はみんな元気だったのに、?


信じられない


意味がわからない


「エスタお前は今日からこ街で住むんだ

わかったな?いい子にしてるんだぞ

お母さんも、俺もお前が大好きだ」


最後の別れをするように

そう言って父は僕を下ろして

話していたのとは違う騎士に連れられて行った


「エスタくんといったかい?

お父さんは怪我をしているから治療施設に連れて行って貰った

君はこれから私と一緒に君が住む場所に行く」


「お、お父さんは大丈夫なんですか?

治りますよね?

今日の朝までみんな元気だったんですよ…

なのになんで・・・」


「すまない

どうなるかは私にもわからないんだ」


そう言うと騎士は申し訳そうにしながら僕を連れて

教会みたいな所にきた


「シスター

この子は南の村の子でアングリーウルフに襲われて生き残った子だ

こちらで面倒を見て欲しい」


そう声をかけると教会の方から優しそうな顔をしたおばあさんが、出てきたこの人がシスターなのだろうか


「あら、エルドさん

分かりました

それでは孤児院の方に入って頂きますね」


騎士は礼をするとシスターについて行くように僕に行って戻って行った


「君名前はなんて言うのかしら?」


「エスタって言います」


「そう、エスタはこれから孤児院の方で暮らして貰います

孤児院は成人の義がある15歳までしか面倒を見ることが出来ないからそれから先は自分で生活して行ってね

今は何歳?」


シスターはとても優しい口調で色々説明をしたり質問に答えたりしてくれた

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