第5話

ラルク英雄譚を読んでいると

村が騒がしくなってきた


アングリーウルフが近くまで来たのかな

でもさっきのお姉さんが退治するって言ってたから大丈夫だろう

なんて呑気な事を思いながら本を読み進めていった


僕は本を読みながら寝てしまった


目が冷めると父が僕を抱えて走っていた


「お父さんどうしたの??」


「エスタ起きたのか

なぁにランニングだよ

重りにエスタを抱っこしながら走ってるんだ」


と、凄く泣きそうな顔をしながら笑った


「そうなの?

お父さんお腹すいたから帰ろうよ」


お腹が空いていたエスタがそう言うと

父は聞こえてないのか何も言わずに走り続けた


それからもエスタは父に話しかけるが

父が返事をする事はなかった


どうしたんだろう?

何かあったのか?

ここはどこなんだろう?

とても不安な気持ちになっていると


見たことも無いほど大きな外壁が見えてきた


「すみません

南にある村の者です

中に入れて頂けませんか??」


父がやっと口を開いたと思えば自分にではなく外壁の上にいる鎧を着た人にだった


「南の村の者か

その子供はお前の子か?

何をしにここまで来た?」


鎧の人は父を責め立てるようにきつい口調で言ってきた


「村がアングリーウルフの群れに襲われて

逃げてきました」


僕は自分の耳を疑った

逃げてきた。。?

母は無事なんだろうか

村はどうなったんだ!?


「お父さん、お母さんは!?

お母さんはどこにいるの!?」


そう聞いても泣きそうな顔をするだけで答えてはくれなかった


「ふむ、村が襲われたのか

わかった

詰所の中で詳しい話を聞こう」


そう言って門を入ってすぐの詰所に入れてもらった

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